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苦節20年の「R-1」王者 街裏ぴんくが芸人仲間から慕われるワケ(鈴木旭/お笑い研究家)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月5日 9時26分

苦節20年の「R-1」王者 街裏ぴんくが芸人仲間から慕われるワケ(鈴木旭/お笑い研究家)

街裏ぴんく(C)日刊ゲンダイ

 5月は「相席食堂」(ABCテレビ)、「耳の穴かっぽじって聞け!」(テレビ朝日)、「不気味な答え 恋愛考察ミステリー」(テレビ朝日系)に出演するなど「R-1」優勝後、活躍が目立つ街裏ぴんく。そこから見えてくるのは、芸歴20年目で「R-1グランプリ」優勝を飾った彼が周囲から慕われている事実だ。

 例えば、「相席食堂」ではR-1優勝前に、笑福亭鶴瓶から妻も含めた2人で「ご飯食べにおいで」と誘われたエピソードに触れている。初対面でまごつく妻に、鶴瓶は「もうちょっと我慢したってな」と伝えた。そのことで妻は「もうちょっと我慢しよう」と考え、街裏をサポートしてくれたという。

「耳の穴かっぽじって聞け!」では、R-1優勝後に届いた熱いメッセージを紹介。街裏が敬愛する先輩の米粒写経・居島一平からは「くだらねぇアンチの雑音は一切無視して笑顔でわが道を爆走せよ。カッコよかったぜ」、若手時代に大阪で切磋琢磨したミルクボーイ・駒場孝からは「街裏さんが勝たない世界がおかしかったんです」と連絡が来たという。

■高い評価と“祖父の指輪”

 また約2年前、駒場から「結婚指輪はめてやるってどうですか?」とアドバイスされたこと、同時期に亡くなった祖父の指輪を譲り受けたことが重なり、右の薬指に指輪をしてネタを披露するようになったと明かしている。

 今の活躍があるのは、こうした周囲の後押しも大きかったように思えてならない。

 2012年に大阪から上京。“世界で一番小さな劇場”とうたわれる「浅草リトルシアター」を中心に腕を磨いた。14年に現在の事務所「トゥインクル・コーポレーション」に所属したが、鳴かず飛ばずの日々は続く。

 アルバイトも続かない。警備員の仕事は上司から理不尽な言葉を浴びせられ、感情的になって口論となり1日で辞めてしまった。酒やギャンブルに費やすのではなく、単純に収入が少ないことで借金を膨らませた。

 それでも、芸人や業界関係者からの評価は高かった。19年にある芸人から、「本当に面白い。けど、もう売れないとタイミングが難しい」と聞いたことがある。とくに21~23年のR-1は「プロは芸歴10年以内」との条件が加わり、街裏は出場資格を失った。

 ただ、そのことで立ち上がった「Be-1グランプリ」(11年目以上のピン芸人の大会)の第2回(22年)で優勝。翌年、事務所の若手ナンバーワンを決める大会「トゥインクル1グランプリ」では前回に続いて2連覇を果たしている。

 そして今年、R-1王者となった街裏。高校時代にクラブシンガーとして活動した経験もある彼は、昨年にスカートの澤部渡とのツーマンライブ、ジャズピアニストの清水ヒサユキとのコラボライブを開催している。お笑いの世界だけでなく、ジャンルの垣根を越えた今後の活躍にも期待したいところだ。

(鈴木旭/お笑い研究家)

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