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中東から見たアジアの経済的優先度 日本は中国・韓国・インドに次ぐ4位…なぜ2年でトップから陥落?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月5日 9時26分

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中東との関係は故・田中角栄が築いた?(C)共同通信社

 先月20日、サウジアラビアのムハンマド皇太子の来日する予定(延期中)が報じられた。2021年から22年にはドバイ万博、サッカーW杯がカタールで開催されたり、今年のパリ五輪のサッカーアジア予選も中東で行われた。日本にとっても身近になり、ビジネスにおいても注目されている。国際情勢YouTuberで「越境3.0チャンネル」を主宰する石田和靖氏は、登録者数が20万人を超え、主に中東アラブ圏の情報を発信している。石田氏は「中東における日本の評価は急落の一途」と指摘するが、どういうことなのか。著書『第三世界の主役「中東」 日本人が知らない本当の国際情勢』(ブックダム刊)から、一部抜粋・再編集で紹介する。

  ◇  ◇  ◇

 G7広島サミット2023の2週間後に、僕は広島でセミナーを開きました。50人くらいのお客さんが来てくださり、「G7は成功だったと思いますか?」 と質問をしてみました。圧倒的に多かったのは 「失敗だった」 という声です。ウクライナのゼレンスキー大統領を招待したというインパクトこそありましたが、みなさんの意見は、広島という核を落とされた街で開催されたのだからこそ、「平和を祈念する」という意思表明をしてほしかったというものでした。しかし、日本はG7の後を追従するように、戦争継続の道に賛同しているのが現状です。

 中東には親日の国が多く、その理由として故・田中角栄氏の功績があります。イスラエルとアラブ諸国が衝突した中東戦争が起きたとき、日本にはアメリカから「イスラエルを支援しろ」と要請がありました。しかし、時の首相であった田中角栄氏は断った。すでに日本はアラビア諸国から石油を輸入している関係にあったため、「イスラエルの応援をしたら石油が入ってこなく可能性がある。そうなった場合、アメリカは責任を取れるのか」 と突っぱねた。日本は中東戦争に加担せず、あくまで中立の立場を貫きその対応に中東諸国は信頼を置いたのです。

 こうしたことから、日本という国は、中東では一目置かれる存在でした。イランからもサウジアラビアからも信頼を持つ日本は、中国に代わって両国の国交を正常化するだけの力だって持っていた。しかし、アメリカに追従している合間に、中国にすべてを持っていかれてしまいました。この2年間で、中東での日本の評価は著しく低下しています。

日本はサウジアラビアから足蹴にされている

 あるサウジアラビアの経済誌が、同国におけるアジア各国との経済関係の優先順位を発表しています。1位中国、2位韓国、3位インド、そして4位が日本です。かつて1位だった日本は、たった2年間で4位まで転落してしまっています。
 
 この結果は、信頼関係と置き換えるとより分かりやすいでしょう。中国、韓国、インドよりも信頼できないと見なされている。アメリカとべったりの日本は、今やアメリカに反旗を翻したサウジアラビアにとって、信頼の置けない友人に映ってしまうわけです。

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