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「野党は批判ばかり」と言う政権忖度コメンテーターの印象操作が国民の政治への関心を妨げている(ラサール石井)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月6日 9時26分

「野党は批判ばかり」と言う政権忖度コメンテーターの印象操作が国民の政治への関心を妨げている(ラサール石井)

眞鍋かをり(C)日刊ゲンダイ

【ラサール石井 東憤西笑】#207

「野党は批判ばかり」。このおかしな言い方はいつからはやりだしたのか。まだ「批判」ならいいがこれが「文句」という言葉にすり替えられ、いかにも野党がガーガー難癖つけてばかりいるような印象になっている。

 全く間違っている。

 政権与党の政策を監視し、正しく是正するのが野党の仕事だ。「批判」こそ野党の仕事なのである。もちろん「批判」ばかりではない。「対案」も用意して「我々ならこうやる。国民のためにどちらがよいか判断してくれ」と常に世に問うているのである。

 だが、この「批判ばかり」というネトウヨ的印象操作がまたぞろはやり出した。都知事選である。

 マスコミに多々いる政権忖度コメンテーターの皆さんは「蓮舫憎し」のネガキャン祭りだ。

「ワイドナショー」では真鍋かをりさんが「自民党の裏金問題あって野党がワァーって言うけど、別に文句しか言ってないみたいなのが、もうウンザリと思って」と言ったのには驚いた。

 裏金はほぼ犯罪だ。それを批判し是正するのは当たり前。「文句しか言ってない」なんてとんでもない。しかも野党はちゃんと改正案も出している。提出がいちばん遅かったのが自民党だ。しかも出て来たのは抜け穴だらけの代物だった。

 では真鍋さんは見識がない人なのか。いや彼女は賢い女性である。これは小池都知事を援護するためにわざと言っている。

 いや、それも意見の一つだ。小池支持は構わないが、「文句ばかり」というデマは正されなければならない。野党が文句ばかりでうんざりと言えば、国会は文句大会、そんなもの聞くに値しないということになる。結果的に国民の政治への関心を妨げてしまうからだ。

 だが、問題はタレントにあるのではない。反対意見、この場合なら蓮舫応援派(あるいは反小池派)の人間も呼び、両論聞かせる客観的な姿勢が番組にないのが問題なのだ。

 小池都政は都庁のプロジェクションマッピングに2年間で48億円かけている(あのアカデミー賞視覚効果賞に輝いた「ゴジラ-1.0」がなんと2本は撮れる金額)。

 この仕事は電通ライブが仕切った。電通本体は五輪談合疑惑で指名停止中であるから、小池都知事はそれを助けたとも言える。

 マスコミは電通には逆らえない。そこを見越して選挙戦前に電通に恩を売った。電通はマスコミに睨みをきかす。ワイドショーはこぞって「蓮舫ガー」となる。

 あ、いかんいかん。根拠もないのに陰謀論を唱えてしまった。

(ラサール石井/タレント)

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