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やす子に突きつけられる女ピン芸人としての課題…「元自衛隊」の肩書いつまで? 何を目指す?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月6日 9時26分

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やす子(C)日刊ゲンダイ

 昨年の「ブレイク芸人ランキング」(オリコン)で1位に輝いた女ピン芸人・やす子(25)。

 デビュー5年目を迎えた今年もバラエティーからCMまでテレビで見ない日はない勢い。さらなる飛躍が期待されていたなか、週刊文春が「やす子“深夜の恐怖指導”で私は自衛隊を辞めました」と自衛隊時代の後輩の告発を報道した。

「消えろ、消えろ」とやす子に罵倒されるなどイジメに遭い、うつ状態になり、やむなく自衛隊を辞めた。忘れたい過去もテレビを見れば連日のようにやす子が出ている。

「元自衛隊員を売りにしているなんて許せない」と怒りがこみ上げてくるという。文春の取材に対し、やす子は「後輩への指導を頼まれ、注意をしに行きましたが、配慮に欠けた行動をしてしまい、嫌な気持ちにさせてしまったことがあったのであれば、大変申し訳なく思っています。自分自身を振り返り、より思いやりを持って行動していきたいと思います」とコメント。

「出る杭は打たれる」芸能界。杭が出過ぎる前にやす子も打たれた形だが、自衛隊時代の話でもあり、現段階ではさほどの影響はなさそうだ。むしろ、女ピン芸人として今後のほうが課題になってくる。

「元自衛隊員」の肩書と迷彩服でテレビに登場したやす子。あどけなさの残る人懐こい顔とスタジオで見せるほふく前進。「やす子」と呼ばれると「はい~」とクセの強い返事をする。今まで見たことのない新芸人はインパクト十分だったが、「これも芸?」と違和感もあった。かつて「グ~」の一声とジェスチャーで遅咲きの女芸人で注目されたエド・はるみ。ゴージャスな風貌と「35億」ネタで人気を博したブルゾンちえみとかぶって見えた。

 出てきた当時は2人ともテレビに引っ張りだこだった。毎年、旬のタレントを起用する日テレの「24時間テレビ」で2人ともマラソンランナーになった。この法則もあり、今年のランナー候補としてやす子の名前がすでに挙がっている。

 今回の初スキャンダルも含め注目度が増すやす子。まずはタレントとしての今後が気になる。人材があふれるタレント界は出入りの激しい激戦区。やす子も「はい~」の次なる一手を考える時期。女芸人には、いい見本となる人がいる。ハリセンボンの近藤春菜と友近の2人だ。「角野卓造じゃねぇよ!」とキレるギャグで頭角を現した春菜。角野に続いて「ステラおばさん」から「スーザン・ボイル」まで応用編を開発。人気を安定させた。話の引き出しも増えMCの座も確保している。

 芸の幅の広さでは女ピン芸人界のトップに立つのが友近。人の言動をデフォルメした“おばちゃん・おっちゃんネタ”を得意とし単独ライブも行う。俳優としても朝ドラに出演するなど実績を積み上げた。近年は歌手・水谷千重子の名で座長公演も行う。今年も8月3、4日の2日間、明治座でジョイントコンサートを開催。ゲストにさだまさしも登場する。

「吉本とエージェント契約にしたことで、先を見るように、芸人としてやりたいことを伸ばしている」(芸能関係者)

 やす子はなにを目指すのか、迷彩服を脱ぐ日も近いか。

(二田一比古/ジャーナリスト)

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