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日テレ「セクシー田中さん」報告書内“正当化”で大荒れ…制作側に求められる原作改変ラインとは?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月6日 9時26分

日テレ「セクシー田中さん」報告書内“正当化”で大荒れ…制作側に求められる原作改変ラインとは?

ネットでは《日テレドラマもう見ない》宣言も続々(C)日刊ゲンダイ

 昨年10月期放送の連続ドラマ「セクシー田中さん」をめぐり、原作者の芦原妃名子氏が急逝した問題について、ドラマを制作・放送した日本テレビは5月31日、社内調査報告書を公表した。

 報告書では、「ドラマ化するなら『必ず漫画に忠実に』」と原作者から条件提示されたものの、発行元の小学館と日本テレビの間に齟齬があったこと、また脚本家が不満を綴ったSNSへの投稿を事前に把握していたにも関わらず、止められなかったことなどが明かされている。

 さらにこの一件について、日テレは報告書の別紙の中で「在京各社元ドラマプロデューサー5名」からのコメントとして、「これで怖がっちゃいけない。安全にドラマを作る方法なんてない」「失敗しないと学ばない」などと紹介。報告書の中で正当化するような発言を紹介した日テレに対し、《日テレは見ない。というか、もう見れない》《特にもう日テレのドラマは見ない》と、同局に憤りを露わにする視聴者もいた。

 6月3日、小学館も調査結果を公表。原作が完結していないことも踏まえ、芦原氏にドラマオリジナル部分を考えてもらい、小学館側から提案する方が良いと申し出ていたことや、「脚本家に失礼にならないよう」に、日本テレビ側に脚本家へ了承を取ることも事前に求めていたことも明かされたことで、ますます日テレの対応に批判が向いている。

■オリジナル脚本か完結した作品にすれば済む話

「一番の問題点は、『安全にドラマを作る方法なんてない』とし、原作の実写化に対するガイドラインを事前にきちんと決めなかったことでしょう。安全にドラマを作る方法というのであれば、オリジナル脚本で勝負するか、できるだけ改変せずに済む完結した作品を選ぶなど、基準を設ければ良いだけですし、報告書では原作クラッシャーになる『改変のライン』を日テレが未だ理解できていない印象も強い。また同じような問題が必ず起こると危惧する視聴者も多くいます」(ドラマ制作関係者)

 ドラマ制作側は、「必要な改変しか行っていない」と主張しているが、報告書では性被害未遂やアフターピル、男性の生きづらさなど、作品の根幹となる部分が大幅にカットされたことや、作中の主要人物・朱里の学歴が短大から専門学校にするという改変を提示されたと明かされている。

「漫画に忠実に」という芦原氏の言葉は、"何一つ改変するな"ではなくストーリーとキャラの根幹をブレさせるなという意味で、原作の展開から逆算し、描かれていないだけで実際にあったであろう展開やキャラの心情を「補完」することが、実写化において望まれる改変だといえる。

「映像化に伴う尺不足や違和感を拭うだけではなく、説得力や整合性のある改変であれば、原作ファンからも好意的に受け取られるはずです。NHKでドラマ化された『岸辺露伴は動かない』も大胆な改変を行なっていますが、世界観を崩すことなく、ストーリーが連動する改変により統一感や新解釈が生まれた、ナイスアシストな改変でした。同じくNHKの『舟を編む~私、辞書つくります~』も、現代の日本を舞台に描くことで、デジタル化に伴う紙書籍の危機、価値観の変遷に伴った辞書の立ち位置を含める新たな解釈を加えた改変で、原作者の三浦しをん氏から感謝の意が示されていました」(同)

 日テレは、原作者の死をただの失敗扱いにせず、正しく糧にできるのか。視聴者は厳しい眼を、光らせている。

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