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「おはらい」口実に日本人ら約30人から1億2000万円奪う…中国人窃盗団の手口と役割分担

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月6日 9時26分

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声掛け役と案内役に、霊媒師役と成りすまし…(写真はイメージ)

 今月3日、大阪府警に逮捕された30代から60代の中国籍の男女4人は、短期滞在で日本に入国。国内を転々としながら国内に住む同胞らに「おはらいをしなければ家族が死ぬ」「家族を助けたければ現金のおはらいが必要」などと脅し、中国人、台湾人、中国語が分かる日本人ら約30人から、1億2000万円相当の金品を奪っていた。

 その手口はこうだ。

 声掛け役の女が、商店街にいる通行人の女性に「中国語分かりますか?」と話しかけ、「薬局を知りませんか?」「家族の調子が悪くて困っています」と訴えかける。そこへ登場した仲間の女が「私は〇〇先生を知ってます」「〇〇先生には霊的な力があるので大丈夫」と言って案内役を買って出る。通行人が「良かったですね」と言ってその場から立ち去ろうとすると、案内役は「私たちを放って行ってしまうの」「この人は困っているみたいだから一緒に行ってあげましょうよ」と強引に誘い、〇〇先生の親戚という霊媒師役が待つ神社に誘導していた。

 声掛け役と案内役は身の上話をしながら通行人の家族構成を聞き出し、その情報をSNSで霊媒師役に送信。通行人の前に現れた霊媒師役の女はあたかも通行人の個人情報を知っていたかのように言い当て、「おはらいをしなければあなたのお子さんは死にます」「あなたの財産を清めないと、不幸が訪れる。悪霊を取り除いてあげましょう」と畳みかけ、自宅に金品を取りに行かせていた。

「声掛け役と案内役は通行人に『先生はウソが嫌いなの』と伝え、あらかじめ『財産はどれくらいあるの? もっとあるんじゃない』と金額を聞き出していた。持参した現金とネックレスは黒いビニール袋に入れられ、霊媒師役は通行人に自分の方を向かせたまま体の前で手をクロスさせ、手のひらに文字を書き、ブツブツと呪文を唱えていた。その隙に後ろに立っていた2人がビニール袋をすり替えていた。霊媒師役は『おはらいの効力がなくなるので、しばらく袋を開けないように』と念を押し、その場から立ち去った。不安になった通行人が袋を開けると、現金とネックレスは塩に変わっていた」(捜査事情通)

■同胞狙い短期滞在で犯行後すぐにトンズラ

 女3人は見境なしに声を掛け、獲物が見つかると、そのまま「困っている人役」になり、一番近くにいる女が「案内役」、もう1人が「霊媒師役」を演じるなど、1人3役を掛け持ち。残りの男は見張り役だった。同様の手口で昨年10月以降、大阪、兵庫、愛知、東京で犯行を繰り返し、1人あたりの最多の被害額は約1500万円に上る。

「同様の手口の窃盗事件が、米国の中国人コミュニティーや中国本土でも多発。事件が広く知れわたった中国より、日本在住の中国人や台湾人を狙った方が成功する確率が高いとみて、わざわざ来日した可能性が高い。逮捕された4人の他にも事件に関与した中国人グループが複数確認されています。犯行直後に帰国し、被害者は袋を開けないよう口止めされているため、すぐに被害に気づかず、申告が遅れ、なかなか尻尾がつかめなかった」(前出の捜査事情通)

 コロッとだまされるのは、日本人だけではないようだ。

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