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錦織圭はパリ五輪が「花道」になる可能性…全仏OP2回戦途中棄権に隠された意図

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月8日 9時26分

錦織圭はパリ五輪が「花道」になる可能性…全仏OP2回戦途中棄権に隠された意図

錦織圭(C)ロイター

【スポーツ時々放談】

 テニスの全仏オープンが終盤に入った。

 37歳のジョコビッチはロングマッチを2試合勝ち抜いたものの、準々決勝を棄権。その結果、22歳のシナーがイタリア勢初の世界ランク1位になり、21歳のアルカラスとの準決勝は今大会のクライマックス、ポスト3強の幕開けだ。

 前半で、大坂なおみが第1シードのシフィオンテクをマッチポイントまで追いつめた。しかし、この顔合わせでスタンドはガラガラ。休養からの復帰には時間も実績も求められる。錦織圭の久々のプレーにファンはさまざまな思いをはせただろう。

 1回戦の相手は、カナダがラオニッチの進化版と期待する22歳の新鋭、身長203センチのガブリエル・ディアロ。7-5、7-6、3-6、1-6、7-5、錦織が4時間22分のフルセットを制した。

 故障明けの今季は3月に1試合プレーしただけ。グランドスラム出場が3年前の全米以来とは思えない果敢なプレーで、左右への打ち分けにサーブ&ボレーも織り交ぜ、錦織らしい“魅せる”テニス。勝利への執着、懸命にボールを追い続ける姿にいまの心境を想像した。

 大会直前、20年に全米を制したティーム(30)と短身で人気のシュワルツマン(31)が引退表明した。錦織は「くらいました」と何度も口にし、年下の同世代の引退はショックだったという。

 3月のマイアミの後、3大会の出場予定をキャンセル。無理かと思われた全仏オープンに敢然と出場したのは、今年がグランドスラムの舞台で自分を発揮する最後のチャンスと捉えているからではないか。冒頭のような世代交代を前に、完全なツアー復帰は34歳の選択肢にならないだろう。全仏は得意なコートではないが、こだわりたい理由もある。7~8月のパリ五輪は、同じ会場で行われる。

 錦織の最大の勲章は2014年の全米準優勝で、テニス選手にとってオリンピックは決してメインではないが、国内の反響は4大大会以上。また、16年のリオ五輪3位決定戦でナダルを倒した強烈な思い出もある。しかも短期勝負の3セットマッチ……今回、長丁場の影響から2回戦で途中棄権したのは、今年の“花道”を見据えた決断だろう。いまひとつ盛り上がらないパリ五輪で、錦織の躍動がもう一度見られるかも知れない。

(武田薫/スポーツライター)

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