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広島・大瀬良ノーヒットノーラン快挙の裏に「25歳・新星遊撃手」の抜擢あり

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月8日 9時26分

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ノーノーを達成し歓喜の大瀬良(C)共同通信社

「信じられない。自分のことじゃないような気持ち。(最終回は)ここまで来たら、みなさんの前で達成できたらと思っていました」

 お立ち台でこう言って大歓声に応えたのは、7日のロッテ戦で自身初のノーヒットノーランを達成した広島・大瀬良大地(32)だ。

 140キロ台中盤の直球とカットボール、スライダー、シュートなどを織り交ぜ、危なげない投球。無安打のたまま迎えた九回2死から2四球を与えると、投手コーチが持ってきた水分を補給する場面もあった。それでも最後はポランコを右飛に打ち取り、安打と得点は許さなかった。

 奪った三振はわずかに2、与えた四球は5。「なかなかお目にかかれない。素晴らしい記録」と喜んだ新井監督も「固い守備? 守っている野手も緊張したと思う」と言った。まさに打たせて取った大記録である。

 中でも遊撃の守備機会は、ゴロと飛球を合わせて8。安打性の打球を含め、全てを堅実、軽快にさばき、大瀬良を助けたのが、遊撃のレギュラーに定着した矢野雅哉(25)だ。

 昨季も93試合に出場したものの、後半戦は小園に遊撃を譲った。実は二塁の名手・菊池が以前から「遊撃の守備力が高い」と買っていたのが、この矢野だった。高い身体能力と強肩を生かした守備力が持ち味の後輩を自身の自主トレに同行させ、「後継者」に指名していた。広島の放送関係者がこう明かす。

「これまで遊撃といえば小園でした。鳴り物入りで2018年のドラフト1位で入団しただけに、球団には遊撃手として大きく育てて欲しいという希望がある。ただ、投手陣からは遊撃交代の要望が出るなど、小園のポカは新井監督の悩みの種でもあった。新井監督はついに今季、矢野を遊撃、小園を三塁へ回した。すると小園は打率.294でリーグ4位。遊撃の複雑なサインプレーから解放され、守備の負担が減った三塁で打撃が開花しているのだから相乗効果です」

 大瀬良は無傷の3勝目。チーム防御率2.25はリーグトップ、130失点は同最少だ。守備の要でもある遊撃に「菊池2世」が入り、投手陣が安心して打たせて取ることができるようになった結果でもある。大瀬良の快挙と同時に広島はセの首位に浮上。今年の広島はだから、僅差の試合に強いのだ。

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