「暗号資産で積立投資」の現実味…ビットコインは5カ月で2倍弱に急上昇、“もしトラ”がさらなる追い風【マネーの教科書】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月8日 9時26分
トランプ前米大統領の再選は…?(C)ロイター
【マネーの教科書】#60
暗号資産が再び注目されている。年初に約600万円だったビットコインは6月3日時点で約1100万円。5カ月で2倍弱まで上昇している。
背景にはビットコインETFへの資金流入がある。SEC(米証券取引委員会)は、1月にビットコインの現物ETFを11本、承認した。それを受けて機関投資家の資金が流れ込んだ。ビットコインはインフレに強いとされており、それが好感されているようだ。米国の債務急増懸念からビットコインや金が買われているとの見方もある。
米国以外でもETFの上場が相次いでいる。香港でも4月末にビットコインとイーサリアムを投資対象としたETFが上場した。英国でも5月下旬にビットコインとイーサリアムを対象としたETP(上場投資商品)が承認された。英国の商品を個人投資家は売買できない仕組みで、取引はプロ投資家のみだが資金流入によって価格を押し上げる可能性はある。
そして注目を集めているのが“もしトラ”とビットコインの関係だ。11月の米大統領選でトランプ氏が再選されれば、ビットコインにとって追い風となる政策がとられるのではないかと噂されている。
■米国の国家債務問題の解決にビットコインを活用か
ブルームバーグによると、イーロン・マスク氏とトランプ氏が暗号資産を巡る政策について協議しているという。以前のトランプ氏はビットコインについて否定的な発言をしていたが、最近では好意的な姿勢を示しているようだ。また、トランプ氏が米国の国家債務問題の解決にビットコインを活用する可能性を検討しているとの報道もある。
一方、日本国内では、ビットコインの利用が着実に広がっている。メルカリは子会社のメルコインを通じて2023年3月に暗号資産サービスを開始した。その後、暗号資産口座開設数が220万口座を超え、直近1年の口座開設数が業界トップになったという。利用者の約8割は暗号資産取引の未経験者。メルカリの売上金でビットコインを購入できる利便性が利用者の拡大につながっているようだ。また、これまではビットコインのみだったが、5月21日からイーサリアムの取り扱いも開始している。
暗号資産は投資商品としての地位を確実に築きつつある。積み立て投資を始めてもいいかもしれない。
(ジャーナリスト・向山勇)
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