TBS「ふてほど」の敏腕女性プロデューサーがNetflixに転職…TV各局の人材流出が止まらない
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月10日 11時14分
![TBS「ふてほど」の敏腕女性プロデューサーがNetflixに転職…TV各局の人材流出が止まらない](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1048648_0-small.jpg)
元TBSプロデューサーの磯山晶氏(C)日刊ゲンダイ
一時期、1ドル=160円を記録した円安。日本のエンターテインメント界も無傷ではいられず、深刻な人材流出を引き起こしていたという。民放編成関係者がため息まじりに話す。
「民放キー局の20~40代の若手局員や実績のあるテレビマンらが先を争うようにNetflixやAmazon Prime Videoなどの大手外資配信系メディアに転職しているんですよ。もちろん局は公にしていませんが、今は、若手が局を辞めると聞いたら誰もが外資の配信系への転職だと考えます」
事実、つい最近も脚本家の宮藤官九郎氏とタッグを組んで「不適切にもほどがある!」などの大ヒット作を多数世に送り出した、TBSの敏腕女性プロデューサー磯山晶氏がNetflixへ転職して業界に衝撃が走った。
「彼女の場合、56歳での転職ですが、TBS上層部は度肝を抜かれたようです。これまでの人脈やドラマのノウハウを全てNetflixに持っていかれてしまう。某役員は激怒して『出禁だ!』と怒鳴っていたとか。彼女はNetflixではエグゼクティブプロデューサーになりますが、定年を前にした決断にTBS局内はざわついている」(前出の民放編成関係者)
■年収は最低でも2000万~3000万円
磯山氏は特例ともいえるが、日本テレビやフジテレビ、テレビ東京などでも、テレビマンの流出は止まらないという。
「一番の魅力は莫大な制作費です。日本の10~30倍は当たり前。ドラマなんて日本なら1本あたり3000万~5000万が精いっぱいですがNetflixなら2億~3億円も可能です。加えて年収も大きな魅力。日本のテレビ局はバブル期は30代で1000万を優に超えていた。しかし、現在はよほどの抜擢やインセンティブが付かない限り1000万超えは難しい。つまりジャパニーズドリームがなくなってしまったんです。一方、外資の場合、実績があれば、最低2000万~3000万円は確約されるようです」(映像業界関係者)
もちろん当然ながら外資ならではの厳しさはあるという。
「ほとんどの外資系メディアに当てはまるのですが、制作したドラマが大コケした場合、次はありません。すぐに切られます。昨年、日本テレビから『3年A組-今から皆さんは、人質です-』などのヒット作を制作したプロデューサーがやはりNetflixにヘッドハンティングされたんですが、その後は鳴かず飛ばず。次のチャンスがなかなか巡ってこないようです」(前出の映像業界関係者)
さらにこう続ける。
「Huluにテレ東系から転職した人間がいるが年収は皮肉にも下がってしまったそうです。Huluの売り上げが激減していることや日テレの支配が想像以上に強いことから年収がアップしなかったというんです」
テレビが“オワコン”と言われるようになって久しいが、現役テレビマンにとって何が正解なのか。カネか時間かやり甲斐か、はたまたプライドか。優秀な人材から会社を去るのはどの業界でも同じであるが。
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