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天台宗住職レイプ疑惑 行為の最中に真言や「南無観世音」も尼僧に強要していた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月11日 9時26分

天台宗住職レイプ疑惑 行為の最中に真言や「南無観世音」も尼僧に強要していた

加害現場とされる寺には不可思議な像が…(提供写真)

「仏さんはエッチしてくれんよ。エッチで悩んでる人がおったら代わりにおまえがエッチしてやらないかんと言われるんや」

 四国地方の天台宗の寺で長年にわたって性暴力が行われていた問題をめぐり、60代の住職Aからの被害を告発した50代尼僧の叡敦さんが、メディアに公開した録音には開いた口が塞がらない。住職Aが叡敦さんに、「仏様がおまえに、私とセックスしろと言っている」と言っているというものだ。

 叡敦さんは今年1月、住職Aによる加害の手助けをしたとして大阿闍梨のBとあわせて2人の僧籍剥奪を天台宗に申し立てた。今月7日、宗派から叡敦さんへの2度目の聞き取り調査が行われた。

 調査後に会見した叡敦さんと代理人の佐藤倫子弁護士によると、住職Aは2009年、自身の寺に叡敦さんを呼び出して強姦。以降、寺で心理的監禁状態に置き、性行為を強いてきた。被害は14年間に及ぶ。住職Aは叡敦さんを剃髪させ、行為の最中に真言や「南無観世音」などの言葉を唱えさせることもあったという。

大阿闍梨も加担か

 住職Aの寺に行くよう叡敦さんに指示したとされるB大阿闍梨は、宗派では最高クラスの権威。千日回峰行という荒行を修めた「生き仏」だ。母の実家が寺だった叡敦さんは幼少から信仰が深く、2人に逆らえなかった。

 17年に叡敦さんは寺から一時脱出。19年に住職Aの行為を強姦罪などで刑事告訴したが、不起訴となった。これを叡敦さんは「仏様のご意思なのではないかと考えてしまった」といい、住職Aと大阿闍梨Bからの説得で寺に戻ってしまう。しかしその際、住職Aに念書を書かせた。

「意思に反して強制的な性暴力行為を行ってきました」「二度と貴殿の意思に反した性行為や(中略)暴力、そして恫喝などを繰り返さないことを誓約いたします」──。住職Aの直筆サイン付きの自白だ。この4年後、叡敦さんは家族の手で寺から救出された。

 記者は被害現場となった寺に赴き、住職Aに事実関係を尋ねたが、「宗派の調査を受けることになったので何もお話しできない」と口をつぐんだ。

 天台宗側は調査の過程で、叡敦さんや代理人に対してB大阿闍梨の言い分を振りかざし、威圧的な態度も見せたという。そのため叡敦さん側は現在、第三者機関による調査を求めている。宗派の良識も問われる問題ではないだろうか。

(藤倉善郎/ジャーナリスト)

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