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畑岡奈紗の失格で「球捜し」の時間は厳格化されるのか…不公平感が出ないよう規則を明確にしてほしい(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月12日 9時26分

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畑岡奈紗(C)共同通信社

【羽川豊の視点 Weekly Watch】

 古江彩佳が優勝を争い2位に終わった米女子ツアー、ショップライトLPGAクラシックで畑岡奈紗が失格処分を受けました。初日の最終ホール(9番・パー5)の第2打で右に曲げたボールがグリーン右の茂みに。同伴競技者やキャディー、カメラマンや大会スタッフら10人以上で捜し、どうにかボールは見つかったものの打てない状況でした。競技委員を呼んでアンプレアブルの処置について説明を聞き、4オン1パットでホールアウトしました。

 その翌日です。首位に4打差の6アンダー4位でスタートする前、前日の球捜しが3分の制限時間を超えていたことが発覚。誤所からのプレー違反でスコアを訂正しなかったことから失格になりました。前日の球捜しの現場にいたテレビ中継局のリポーターが大会本部に申し出て映像を確認したところ、3分25秒かかっていたことが分かったのです。

 プロなら球捜しの制限時間はもちろん知っていますが、「これからボールを捜します」と同伴者に宣言し、そこから計測する選手などいません。腕時計をしている者なら大ざっぱにチェックするか、時計がなければ「そろそろ3分かな」という感覚で判断しているのが実情です。

 畑岡の場合、一緒にボールを捜した同伴者がスコアにサインしています。リポーターが「3分を超えていたのではないか」と思ったなら、すぐに競技委員に伝えるべきでした。そこで事実が発覚すれば、畑岡は訂正したスコアを提出し、失格は避けられたのです。

 欧米ツアーはスロープレーには厳しく対応していますが、畑岡の件は別の問題です。今回の一件により、米女子プロゴルフ協会はボール捜しについて議論し、選手に不公平感が出ないよう規則を明確にしてほしい。「明確」と「厳格」を求めるなら、選手やキャディーにストップウオッチを携帯させ、球捜しの宣言をしてから計測を開始する日がくるかもしれません。

 女子ゴルフはパリ五輪代表が僅差の争いになっています。畑岡の失格が明暗を分けたということにならないことを祈ります。

 国内ではBMWツアー選手権森ビル杯でベテランの岩田寛が石川遼とのプレーオフを制し、ツアー6勝目を飾りました。43歳でのメジャー初制覇はツアー制度施行後では最年長です。ファンの声援も力になったことでしょう。会場の宍戸ヒルズCC(茨城)はアップダウンとうねったフェウアエー、硬く速いグリーンの難コースです。ここ数年は、怖いもの知らずの若者が勝つという印象でしたが、宍戸の怖さを痛いほど知っている岩田の勝利や石川の猛攻は、他の中堅・ベテラン勢の刺激になったはずです。40歳を過ぎても若手の脇役に甘んじていることはありません。

(羽川豊/プロゴルファー)

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