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94歳のお婆さん相手にサイコロ賭博…逮捕された胴元は79~88歳の男女だった

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月13日 9時26分

94歳のお婆さん相手にサイコロ賭博…逮捕された胴元は79~88歳の男女だった

なんと94歳の客も…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

「勝負!」

 進行役の「合力」がパッと両目を見開き、掛け声を上げ、賽壺を持ち上げると、勝者からは「よっしゃー」という歓声が上がり、敗者は「あーあー」とため息をつき、落胆していた。

 大阪市浪速区日本橋の市営住宅でサイコロや張り札を使った「賽本引き」と呼ばれる賭博場を開き、客に金を賭けさせたとして、府警捜査4課は先月31日、賭博開帳図利と常習賭博の疑いで開帳側の男女3人と客の男女4人を逮捕した。

 逮捕されたのはこの家に住む「寺師」(賭博場の開帳者)で「合力」(進行や金の受け渡し)の田辺隆(79)と、田辺容疑者と同居する「盆屋」(賭博場の提供者)の呉玉順(88)、サイコロを回す「胴師」の本間民子(83)ら3容疑者。一方、客は94歳の女と89歳の男、50代の男女2人の計4人。

「警察や。動くなよ!」

 5月30日午後9時半ごろ、府警4課の「賭博専従班」が現場に一斉に踏み込んだところ、室内にはピーンと張りつめた空気が漂い、開帳側の3人と客4人が向かい合わせに座り、真剣勝負の真っ最中だった。

 捜査員は事前に室内から「賽壺」として使っていた湯飲み茶碗に入れたサイコロが「コロコロ」と鳴る音や、分厚い電話帳を2冊重ねた賽振り台の上に、湯飲み茶碗を「ドン」と叩きつけるようにして伏せる音を確認していた。田辺容疑者らは知り合いだけに声を掛け、夜8時ごろから日付が変わるころまで1日4~5時間開催していた。

 賽本引きは「丁」か「半」に賭ける「丁半賭博」同様、2つのサイコロの合計を予想。7を超えたら、そこから6を引く。客は1~6の数字のうち4つの数字の木札を所定の場所に置き、出た目に応じて配当が分配される。賭けられていない数字が出た場合は、全額、胴元に没収される。

■売り上げは暴力団のシノギ

「高層階にある6畳の室内には『盆ゴザ』いう白いシーツが敷かれ、7人がシーツをはさむようにして置かれた座布団に座っとった。賭け金は1回あたり1000円から1万円ほど。現金が無造作に並べられ、木札は相当長い期間使用された年季の入ったものやった。現場には現金170万円が置いてあり、暴力団の『シノギ』になっとった可能性がある」(捜査事情通)

 田辺容疑者はこれまで2014年と17年の少なくとも2回、大阪市住吉区と天王寺区で賭博場を開き、パクられている。賽本引き賭博の摘発は、その時以来7年ぶりのこと。テンポの速い盆(博打)なら、1時間で90番近くの勝負が行われるという。

「毎日行われる『常盆』やったら比較的摘発しやすいんやが、例えば『今週土曜日に勝負しよう』いうて10人ほど集め、民間の場所で隠れてやられると、なかなか潜入すんのも踏み込むのも難しいんや。この賽本引きはトランプと違って、素人にはでけへんからね。ルールも知っとかなアカンし、常習者やなかったら、まず無理。『昨日とか、今日始めました』いう言い訳は通らん。94歳のおばあちゃんも勝負ができるぐらいやから、ボケてもおらへんし、他の高齢者も見た目は普通のお年寄りやった」(捜査事情通)

 令和とは思えない光景だが、ジイさんバアさん連中が集まってサイコロ賭博とは、高齢化社会もここに極まれりだ。

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