協会はテレビ各社にケンカを売るように「放映権をよこせ」と迫り過去最高益「5億円超」を叩き出した【女子ツアーの裏で蠢く火種と禍根】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月13日 9時26分
![協会はテレビ各社にケンカを売るように「放映権をよこせ」と迫り過去最高益「5億円超」を叩き出した【女子ツアーの裏で蠢く火種と禍根】](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1049389_0-small.jpg)
日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長(C)日刊ゲンダイ
【女子ツアーの裏で蠢く火種と禍根】#5
日本女子プロゴルフ協会は今年3月の総会で2023年度決算を承認、過去最高益となる5億円超の黒字になったことを発表した。これまでは18年度の約2億円が最高だったが、今回の過去最高益は大会主催者にあった放映権をすったもんだの末に22年から協会が奪い取り、収入となって計上されたのが大きい。
協会は放映権獲得にあたり、まず各主催者へ有料のネット配信を協会帰属に認めさせた。
「配信権は協会がゴルフ中継の番組を制作してインターネットで配信することです。ネット配信の権利は高く売れると見込んでいたのです」(テレビ局関係者)
小林浩美会長はその際、「協会に配信権帰属を認めてくれたら(ネット放送は)20億円でも30億円でも売れる。そうすれば主催者には500万円を配ることができる。だから協会に渡して欲しい」(主催者)と提案した。
だが、「30億円で売れる」と豪語した配信料収入は達成しておらず、主催者に配るはずだった500万円の話もいつのまにか消えている。協会はいまインターネット中継をDAZNとユーネクストの2社と契約する(当初GOLF TVと契約するもすでに配信停止)が、「ネット配信が1社独占でないということは配信料収入も高くないことがわかります」と前出のテレビ局関係者は言う。そこで主催者から地上波、BS、CSの放映権も奪い取ったことが、最高益につながったわけだ。
放映権とはテレビ局が大会中継を独占的に放送する権利のことであり、そのためにテレビ局は主催者に放映権料を支払う義務が生じる。だが、実際には主催者がテレビ局から放映権料を手にすることはほとんどなく、主催者が大会経費に上乗せしてテレビ局に中継を依頼するケースがほとんどだった。ようするに大会開催のために主催者は賞金を用意し、会場を借りたり、ギャラリースタンドやトイレなど施設を準備したり、テレビの中継費用までも負担。だから、大会開催には総賞金の2倍から3倍のカネがかかるといわれる。
「もちろん米女子ツアーも放映権は協会に帰属しており、放映権料は大きな収入の柱になっている。なぜ日本は違ったのか、といえば歴史が異なる。日本の女子プロゴルフはAON(青木・尾崎・中嶋)人気の男子ツアーの陰に隠れて長く不人気だったからです。放映権料を手にできるコンテンツとはいえず、協会はテレビ局に中継をお願いする立場だった。テレビ各社が長く日本女子ツアーを支えてきたともいえる。そんな背景に目をつむって小林会長はテレビ各社にケンカを売るように放映権をよこせと迫り混乱を招いたのも事実です」(ツアー記者)
小林会長は強引だった。
「放映権の協会帰属を認めないのなら大会開催を公認しない」と主催者に高圧的に迫り、一時、テレビ局主催の3大会をツアー日程から外す強硬手段に出たこともあった。
主催者は人気のプロアマ開催と引き換えに、放映権を手放すことになったが、「当初の説明と話が違う。単純に大会主催者側の負担が増えただけなのです」(前出のテレビ局関係者)。
複雑なカネの動きを解き明かすのは難しいが、それも協会の非開示のせいだ。協会にとって都合のいい情報は声高に発信する一方で、不都合な情報は表に出さない。そんな不誠実な体質では小林会長が進めるツアー改革は思い通りにいかない。
◇ ◇ ◇
本文中にあるスポンサー企業との衝突もそうだが、協会肝煎りのゲームアプリ開発は頓挫するなど問題は山積だ。
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