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「街のケーキ屋さん」は生き残れるか? 物価高と人件費増で倒産急増、コンビニスイーツの台頭も影響

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月13日 9時26分

「街のケーキ屋さん」は生き残れるか? 物価高と人件費増で倒産急増、コンビニスイーツの台頭も影響

とにかくケーキが高くなった

「街のケーキ屋さん」が次々に潰れていく……。

 帝国データバンクの調査(7日発表)によると、洋菓子店の倒産が今年の5月までに計18件と急増しており、2000年以降で最も多かった19年(49件)を上回るペースとなっている。

 背景には原材料の高騰がある。昨年から、砂糖や生クリームなどをはじめ、ケーキづくりに必要な材料ほぼ全てで値上げが相次いでいる。中でも、チョコレートに使用するカカオ豆は、不作に加えて円安の影響も加わり、欧州品産など輸入品の平均価格は5年前に比べて価格が2倍に上昇した。昨年の猛暑で収量減が目立ったフルーツも、全体の平均価格で5年前比1.4倍の値上がりだ。

 それに追い打ちをかけたのが、光熱費の高騰や人件費増などのコストアップ。客離れの懸念から商品に価格転嫁できなかったことなどもあり、街のケーキ屋さんなどの中小規模店を中心に廃業が相次いだ。

洋菓子業界が値上しづらいワケ

 洋菓子業界は、コンビニスイーツの台頭により、値上げをしづらいのだという。帝国データバンク情報統括部の飯島大介氏はこう話す。

「コンビニスイーツは大量生産、流通網の整備などの効率化が進んでおり、安価に販売できる。しかも、商品開発力が高く、トレンドを徹底的に調査し、客のニーズを把握することで、季節などに合わせて新作を投入します。一般のケーキ屋さんにとって、コンビニは強敵となっています」

 コンビニスイーツのレベルが高すぎて普通の街のケーキ屋さんは、太刀打ちするのが難しくなっているというのだ。

■問われるのはオリジナリティー

 どうすれば街のケーキ屋さんは生き残れるのか──。

「街のケーキ屋さんはオーダーメードのケーキなど、より顧客のニーズに合ったケーキをつくることができます。スイーツにオリジナリティーを出せるという強みを生かし、大量生産品と差別化していけるか。今後の対応力が問われています」(飯島氏)

 街のケーキ屋さんが、ただ普通のショートケーキを売っていればいいという時代は終わったようだ。

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