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案の定“恩着せメガネ”岸田首相に怨嗟の声が…企業の約7割が「定額減税で負担増」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月19日 9時26分

案の定“恩着せメガネ”岸田首相に怨嗟の声が…企業の約7割が「定額減税で負担増」

ただただ起死回生への減税ゴリ押し(会見する岸田首相)/(C)共同通信社

「恩着せメガネ」こと岸田首相の天下の愚策に企業もカンカンだ。帝国データバンク(TDB)が14日公表した〈定額減税に関する企業の影響アンケート〉で、今月から始まった定額減税の事務について「負担感がある」と回答した企業が実に約7割(66.8%)に上ったのである。

 定額減税は所得税と住民税をあわせて1人当たり4万円が差し引かれる仕組み。「減税分の給与明細への明記義務」のせいで、約5000万人の給与所得者が対象の巨大な減税策に、かねて事務負担増を懸念する声が続出していた。TDBの調査結果は「案の定」なのだ。

 TDB情報統括本部の担当者は「『負担感がある』と答えた企業を規模別に見ると、大企業が68.3%、中小企業が66.6%、小規模企業が62.6%と、大差ありませんでした」と前置きして、こう続ける。

■経理担当者は大変に1年に

「従業員10人以下の家族経営や給与処理を外注している小さな企業ほど、負担感は少ないようです。共通しているのは、定額減税の複雑な仕組みを理解するのに時間がかかること。一括給付ではないので分かりにくい。減税分を反映した給与を出した後、ちゃんと引かれているのか、事後に従業員からの問い合わせもあるでしょう。1回で引ききれない減税分は翌月以降に持ち越されるので、扶養家族がいれば、その分がきちんと引かれているのかを最終的にチェックする必要も出てきます。経理・事務担当者にとって、大変な1年だと思います」

 定額減税による“恩恵”は1人当たり月3000円ちょっと。小遣いレベルの施しなのに岸田首相が「恩恵」とのたまったものだから、国民の怒りの火に油を注ぐ結果に。「増税メガネ」の不名誉払拭と政権浮揚のもくろみは外れ、「恩着せメガネ」が定着した。

 定額減税への風当たりは強く、朝日新聞の最新の世論調査(15、16日実施)によれば「評価しない」が56%。「評価する」は35%にとどまった。内閣支持率は前回5月調査から2ポイント減の22%で、内閣発足以降の最低水準だった。立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)がこう言う。

「中小零細企業から給与計算を委託されている税理士の方は、『手間は増えるが追加手数料を取るわけにもいかない』と頭を抱えていますよ。物価高で国民生活が逼迫する中、事務負担が増えるだけで効果の期待できない定額減税が悪評ふんぷんなのは当然。人気取りにしても酷いと言わざるを得ません」

 岸田首相の「おためごかし」にはウンザリだ。

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