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東京都知事選「過去最多候補者」で頭が痛いテレビ局…“その他大勢”はどこまで報道する?

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月23日 9時26分

東京都知事選「過去最多候補者」で頭が痛いテレビ局…“その他大勢”はどこまで報道する?

19日の共同記者会見は4人だけだった(C)共同通信社

 東京都知事選挙はこれまで最多の56人が立候補、選挙管理委員会は選挙ポスターを張る掲示板が足りないとテンテコ舞いだが、テレビ各局が頭を悩ませているのは、蓮舫と小池百合子以外のその他大勢をどう扱うかだ。

 はなから当選するつもりなどなく、売名が目的であっても、公正・中立を掲げるマスメディアとしては、すべての候補者を平等に扱わなければならない。しかし、56人を同じように取材して、同じように報じるのは無理だし、そもそも意味がない。かといって、まったく無視もできない。民放の報道番組担当プロデューサーは「困りましたよ」とため息をつく。

「ニュースや情報番組で取り上げる候補者は、まず当落を争っていること、国会に議席を持つ政党がバックアップしている、国会議員や首長の現職・元職などをガイドラインにしていますが、今回の都知事選では蓮舫さんと小池さん以外はほぼ外れます。でも、2人の選挙運動や情勢だけを流し続けるというわけにはいかない。まあ、安芸高田市の前市長の石丸伸二さん、知名度のあるタレントの清水国明さん、元航空幕僚長の田母神俊雄さんあたりまではなんとかギリギリOKというところでしょうかね。つばさの党なんて絶対ダメ」

 ワイドショーなどでは、蓮舫と小池を同じ尺(映像時間)で流し、石丸や清水、田母神にちょこっと触れて、「この他にも全部で56人の方が立候補しています」と伝えてバランスをとっている。

■政見放送は大荒れ必至

 50人を超える立候補でさらに困っているのはNHKだ。選挙期間中に候補者ごとに30秒以内の経歴放送と5分30秒以内の政見放送のセットを2回、経歴放送のみを1回の計12分30秒流すことになっているが、56人となると延べ12時間近い。毎日1時間近くを充てなくてはならない。これまでは朝の情報番組「あさイチ」を休止したり短縮したりして割り当ててきたが、それで間に合うかどうか。夕方や夜の首都圏ネットワークの時間帯を使うことになるかもしれない。民放ではTOKYO MX、ラジオはNHKラジオ第1、TBSラジオが政見放送を流す。

 NHKが最も心配しているのは、政見放送でとんでもない乱行をやらかす候補者が出そうなことである。前回の都知事選では上半身裸のおむつ姿になって卑猥な発言を繰り返したり、男女の性行為を演じたりした候補者がいた。

「都知事選は名前と顔を売り出す最大のチャンスです。ここで話題になれば、ユーチューブなどSNSの再生回数が急増して、広告収入がドカンと入る。供託金の300万円を没収されても安いものですよ。そのためにはいかに目立つかがカギなので、政見放送でわざとひんしゅくを買うような下品な言動やヘイトスピーチで話題になろうとします。今回、立候補者が多くなったのは、そういうカネ稼ぎ組が増えたこともあります」(メディアアナリスト)

 立候補したユーチューバーらは手ぐすね引いているだろう。どんな政見放送が流れるのか。ネット時代のテレビ政見放送の役割を見直す機会だ。

(コラムニスト・海原かみな)

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