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海外メジャーで次々V争い 日本人女子のレベルが上がったのか、世界のレベルが落ちたのか

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月24日 15時4分

海外メジャーで次々V争い 日本人女子のレベルが上がったのか、世界のレベルが落ちたのか

山下美夢有(C)ロイター/USA TODAY Sports

【全米女子プロゴルフ選手権】

 算7アンダーのエイミー・ヤン(34)と2打差2位タイから発進した山下美夢有(22)はスコアを伸ばせず、通算4アンダー2位タイに終わった。【前編】からつづく。

  ◇  ◇  ◇

 それにしても、だ。3週前の全米女子オープンでは笹生優花(23)と渋野日向子(25)がワン・ツーフィニッシュ。渋野は今大会も通算2アンダー7位タイと健闘し、西郷真央(22)もこの日ベストスコアの67をマークし、7位タイで上がった。

 先の全米女子OPは古江彩佳(24)6位、海外メジャー初出場の竹田麗央(21)と小祝さくら(26)も9位。世界の大舞台で日本選手が好成績を残している。これは単なる偶然ではないだろう。

 欧州シニアツアーで活躍した並木俊明プロがこう語る。

「お世辞抜きで日本の女子プロはレベルが上がっている。理由はいくつかありますが、今は弾道測定器により、ヘッドスピード、ボールの打ち出し角度やスピン量が瞬時にわかり、数値をもとにスイングを調整できると同時に、自分に合った最適なクラブを使うことができる。それは海外選手も同じですが、日本の選手はスイングに大きな癖がなく方向性がいい。トップ位置が下がった渋野はやや例外だが、山下、古江、笹生、岩井姉妹ら、みんな癖のないスイングをしている」

 惜しくも優勝を逃した山下の身長は150センチ。欧米選手と並べば大人と子供ぐらいの差があるが、今大会のスタッツを見ると、フェアウエーキープ率84%は優勝のヤン(61%)を上回った。

 前出の並木プロが言う。

「日本選手が海外試合にスポット参戦して一番戸惑うのは芝の違いです。ベント、ポアナ、バミューダなどさまざまで、しかも同じベントでも芝質が一様ではない。パッティングだけでなくグリーン回りのアプローチでも国内の打ち方ではクラブが抜けないこともあるが、今の選手は対応力が非常に高い。あとはメンタルでしょう。同世代や年齢が近い選手の活躍をエネルギーに換えるというか、『あの人ができるなら私も』と負けん気がみんな強い。今は国内ツアーから海外メジャーに挑戦する際、過度に緊張したり、海外選手の前で臆する者はいないでしょう」

 プロキャディー歴26年目で、男女の海外メジャーでも10試合以上バッグを担いでいる梅原敦氏は「宮里藍さんの影響が大きい」とこう語る。

「03年に高校生でプロツアーに優勝し、藍ちゃんブームが巻き起こり、ジュニアの競技人口が一挙に増えたことが大きい。藍ちゃんは米女子ツアーで9勝し、10年には世界ランク1位にもなった。155センチと小柄な選手でドライバーが飛ぶ方ではなかったが、正確なショットと小技で世界の強豪と戦った姿はジュニアゴルファーの大きな刺激になった。それで米女子ツアーを目指す子供が増えたのは間違いない」

 梅原氏が続ける。

「藍ちゃんブームでジュニアのレベルが上がり、プロの試合に推薦出場して予選を通ったり、勝(みなみ)さん、畑岡(奈紗)さん、古江さんのように優勝する選手まで出てきた。今ではアマチュアが優勝争いしても誰も驚かない。私がプロキャディーになった当時はそんなことは考えられなかった。藍ちゃんに憧れ、世界を意識してきた世代が、夢の舞台で活躍するようになったということです」

 今後も海外メジャーで日本人の活躍は続きそうだ。

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