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梅雨のだるさ…不調の原因は首にあり「やる気が出ない」が6割、「対処法わからず」5割

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月27日 9時26分

「ヒトの体は、気圧で押される力を内側から押し返してバランスを保っています。たとえば、ある状態から気圧が下がると外からの力が減って、その分血管は膨らもうとしますが、一定の血流を保つため、交感神経が働いて血管を収縮させようとするのです。気圧が上がるときは、逆の働きが作用して、副交感神経によって血管は拡張します。これが健康な体の仕組みです。ところが、自律神経のバランスを崩していると、その調節がうまく追いつかず、不調が強く出やすい。この時季は、生活のいろいろな場面で気圧差や気温差の影響を受けやすいため、強い倦怠感が続くのです」

 最近の研究も、気圧差や気温差が症状悪化のキッカケになるという松井氏の指摘を裏づける。愛知医大のグループは2015年、尾張旭市の成人2628人を対象に慢性的な痛みの変化について調査。その結果、痛みがある人のうち約49%は、「痛みは悪天候や悪天候が近づくときに悪化する」と回答した。

 一方、17年にカナダで報告された研究では、噛み合わせで痛む11人と片頭痛の20人についてアンケートしたところ、噛み合わせの痛みは気圧の低下で悪化し、片頭痛は気温と気圧の上昇で悪化することが判明した。

 友人とたまに顔を合わせると、お互いに不調自慢で「季節の変わり目が特につらい」と口をそろえ、「もう無理はできないな」と苦笑いしたりする。

 あの経験則、体の内なる声は、決して間違っていないのだ。

対症療法の薬が効かず自殺に

 体の声が聞こえたとしても、必ずしも治療や対策に結びつかないことが少なくないという。

「自律神経のバランスが崩れた状態は、医学的に自律神経失調症です。その症状は前述した通り倦怠感だけでなく、頭痛やうつ、めまい、ドライアイ、下痢、不眠などさまざまで、患者さんはそのときにつらい症状ごとに対応する診療科を受診します。倦怠感は内科、頭痛は脳神経外科、うつは精神科、めまいは耳鼻咽喉科、下痢は消化器科……といった具合です。しかし、病気の根本は自律神経ですから、そこを治療しないと良くなりません。対症療法の薬が増えるだけで、根本的な治療にならないので、病状をこじらせるケースがとても多く、私の外来にたどり着いたときには、自殺寸前や自殺未遂という方がよくいます」

 22年に自ら命を絶った俳優の渡辺裕之さん(享年66)は、妻で女優の原日出子さんが公表したコメントによって、自律神経失調症だったことが明らかになった。その内容は、こんな具合だ。

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