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白内障の手術が難しいケースもある…使っている薬は必ず確認を【一生見える目をつくる】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月27日 9時26分

白内障の手術が難しいケースもある…使っている薬は必ず確認を【一生見える目をつくる】

写真はイメージ(C)iStock

【一生見える目をつくる】#19

 必ずダメというわけではありませんが、条件によっては白内障の手術が難しい場合があります。

 まず、糖尿病、高血圧、心臓病、脳卒中の経験、前立腺肥大症などに罹患されていて薬を服用している方です。これらの病気に罹患しているから白内障手術ができないということはないのですが、使っている薬の種類によっては手術中に不測の合併症が起きることがあります。そのため、必ず手術前に確認するようにしています。

 次に、緑内障や網膜症などの目の病気のある方、角膜に強い乱視がある方、瞳孔が小さい方は、単焦点レンズは可能ですが、多焦点レンズは使用できないことがあります。瞳孔の大きさというものは人それぞれで、自律神経の作用で決まります。瞳孔が小さい方は多焦点レンズの効果が十分に出ないことがあるので、適応外となることも。瞳孔の大きさは眼科の検査ですぐにわかります。

 白内障手術を検討する人から「一度目の中に入れた眼内レンズは交換することができますか」と聞かれることがあります。物理的にはイエスなのですが、私はほとんど交換したことはありません。どうしても交換の必要があるなら、最初の手術から1カ月以内に再手術を予定しなければなりません。時間が経つと眼内レンズが目の中で癒着してしまい、きれいに交換することが難しくなってしまいます。

「手術以外で白内障の治療方法はないのでしょうか」というのもよくある質問です。残念ながら白内障の唯一の治療方法が手術なのです。進行を遅くする目薬もありますが、男性の育毛剤程度の効果しかありません。水晶体の濁りを改善したり、濁りの進行を止める薬はないのです。

 白内障で眼内レンズを挿入する手術では、術後に金属板の入った大きな眼帯をすることが多いです。前は見えません。翌日に医師が状態を確認して問題ないと判断すれば前が見える透明な眼帯に変更します。

 したがって、両目を同時に手術することは一般的ではありません。片方の目を手術してから、だいたい1週間後にもう片方を手術するスケジュールが多いです。

「今すぐに手術する時間は取れないけど、白内障が出ている」という方は、定期的に診察を受け、時間ができたタイミングで手術を検討します。

 視界が全体的にかすんだり、眼鏡をかけても視力が低下したと感じる方。また、光をまぶしく感じたり、暗いときと明るいときで見え方が違うと感じるようになった方は白内障の疑いがあります。すぐに手術するかどうかはひとまず置いておいて、症状がある場合はできるだけ眼科医に相談していただきたいと思います。

(荒井宏幸/クイーンズ・アイ・クリニック院長)

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