1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

足の「ウオノメ」は治療を受けた方がいいのでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月27日 9時26分

足の「ウオノメ」は治療を受けた方がいいのでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

写真はイメージ

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#24

 ウオノメは医学的に「鶏眼」と呼ばれ、圧迫や摩擦によって足の特定の部位に硬い角質層が形成される、足の病気のひとつです。角質が均等に盛り上がるタコ(胼胝)と違ってウオノメは中心に丸いトゲのような芯があり、押すと強い痛みが生じるのが特徴です。

 形やサイズの合わない靴の着用で圧迫や摩擦が加わり続けると角質が増殖して肥厚化し、硬くなります。骨が突出している足裏の親指の付け根の丸いふくらみや、足の外側にできやすいのが特徴です。とりわけ女性はヒールの着用が原因になりやすく、足の外側や、長年ヒールを着用してきた場合には、歩く際に最も圧がかかる中指と薬指の付け根付近に見られるケースが少なくありません。

 デパート販売員として働く30代の女性は、職場でハイヒールの着用が義務づけられ、足の中指と薬指の痛みに耐えながら毎日8時間履き続けていたといいます。

 やがて痛みが強くなり、立っていられないと当院を受診されました。ちょうどその時期、職場でのハイヒール強制を廃止する運動が広がったので靴をスニーカーに替えたところ、痛みが改善されたと喜ばれていました。

 ウオノメを放置すると痛みが強くなり、無意識に痛みをかばうような歩き方をして姿勢が悪くなります。

 歩行時の加重バランスが偏ると、別の部位にウオノメができるだけでなく、腰痛など全身の痛みにつながる可能性が高い。

 皮膚科では、ウオノメの箇所にサリチル酸などを含む外用薬を塗って角質をやわらかくし、メスやハサミでウオノメを削ります。ただし、これは対症療法に過ぎず、根本的に解決しなければ再発します。当院では義肢装具士や整形外科医らが直接足の状況を判断し、その人に合ったオーダーメードのインソールを作っています。

 ほかにも「シューフィッター」と呼ばれる、足に関する基礎知識と靴合わせの技能を持つ販売員が在籍する店舗で足を計測してもらい、ご自身の足に合った靴を1足用意しておくのもお勧めです。

 なるべくハイヒールの着用は避け、どうしても履かなければならない場面では、移動中はスニーカーを履くなど、ご自身の足を守る工夫が大切です。

 ウオノメをご自身で削って対処されている方も多いと思いますが、万が一、ウオノメではなくイボだった場合、出血して周囲に感染が広がる恐れがあります。自己判断せず、皮膚科で対処してもらうとよいでしょう。

▽小川尊資(おがわ・たかすけ) 2003年順天堂大学医学部卒業、13年4月に順天堂大学医学部皮膚科学教室准教授を務め、19年足の疾患センター副センター長に就任。22年より順天堂大学医学部皮膚科学教室先任准教授を務める。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください