11年ぶり年間1万件超えも? ヒタヒタ迫る倒産激増の足音…市場が囁く「危ない会社」リスト【表あり】
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月28日 9時26分
人手不足による経営悪化も増加している(C)日刊ゲンダイ
怪しげな足音が近づいている? 株価上昇や賃上げムードなどサラリーマンを取り巻く環境は好転しているように思いがちだ。一方で、物価高騰は激しさを増し、実質賃金のマイナスは続く。これまで鳴りを潜めていた企業倒産もヒタヒタと……。
◇ ◇ ◇
■中小企業がバタバタと……
イヤ~な数字が並んでいる。
「11年ぶり」「4年1カ月ぶり」「7カ月ぶり」……。東京商工リサーチの「倒産月報」(2024年5月度)に出てきた倒産に関する記述の一部だ。
5月の倒産件数(負債額1000万円以上)は1009件。1000件を超すのは13年7月以来で約11年ぶり。
4年1カ月ぶりだったのは従業員の被害者数。倒産に伴う被害者が6540人に達し、20年4月以来の6000人超えとなった。
7カ月ぶりは「10産業すべてで前年同月を上回った」こと。倒産は、建設業、製造業、小売業、金融・保険業、不動産業、運輸業、サービス業など産業別に統計を取るが、そのすべてで倒産が増加したのだ。どの業種でも、まんべんなく倒産は広がっている。
「円安や人材確保のための人件費アップ、原材料高、物価高などが中小企業を襲っています。コロナ禍で実施されたゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)の返済に耐えられない中小も増えています」(東京商工リサーチ情報部・増田和史氏)
■堅調な株式市場に水を差す
倒産件数が上昇傾向を見せる中、株式市場も倒産を気にかけ始めた。今年は、日経平均が史上初の4万円台をつけるなど盛り上がった。現在も、ひと頃より落ち着いているとはいえ、4万円近辺での取引が続いている。
「市場環境は決して悪くありません。円安や日米金利差などによりボックス圏での推移となっていますが、3月期決算企業の第1四半期(4~6月)決算の公表が本格化する7月下旬から8月にかけて上昇する可能性は高いでしょう。ただし、倒産件数の増加はひっかかります。大型倒産は起きないにしても、経済全体に暗いムードを与えかねません」(株式評論家・倉多慎之助氏)
「GC注記」「重要事象」は75社
市場関係者は上場企業の決算書に記載される「GC注記(ゴーイングコンサーン注記=継続企業の前提に関する注記)」「継続企業に関する重要事象」に注目する。この記載を“危ない会社”の目安にするという関係者は少なくない。
「24年3月期にGC注記があったのは23社。重要事象は52社でした。どちらも前年より減少しています」(増田和史氏)
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
24年5月の企業倒産件数、12年ぶり1000件超 - 背景にあるのは?
マイナビニュース / 2024年6月13日 18時3分
-
5月の企業の倒産件数1000件超え 年間1万件ペース、地方では百貨店の閉店多く
J-CASTニュース / 2024年6月13日 7時30分
-
5月の倒産件数は1009件、11年ぶりの高水準 貨物運送業の倒産も急増
財経新聞 / 2024年6月11日 9時53分
-
未払賃金立替払制度の利用が急増 背景は物価高や人手不足などでの倒産増
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年6月10日 17時15分
-
倒産件数は1016件、12年ぶりの1000件超 ― 全国企業倒産集計2024年5月報
PR TIMES / 2024年6月10日 14時45分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2水分補給は昼コーヒー、夜ビール… 「熱中症になりやすい人」の特徴と対策
ananweb / 2024年6月29日 20時10分
-
3Appleのカメラアプリ「Final Cut Camera」はもう使った?なめらかズーム&手ぶれ防止でプロ級動画が完成
isuta / 2024年6月29日 18時0分
-
4若々しい人・老け込む人「休日の過ごし方」の違い 不安定な社会、「休養」が注目される納得理由
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 9時0分
-
5「モノ屋敷の実家を片付け」嫌がる母と攻防の顛末 「絶対に捨てられない母」をどう説得したのか
東洋経済オンライン / 2024年6月29日 13時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください