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“幕張の防波堤”に聞いた「つなぎの4番」はあり?なし? 広島と楽天で今シーズン威力発揮

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月29日 11時27分

“幕張の防波堤”に聞いた「つなぎの4番」はあり?なし? 広島と楽天で今シーズン威力発揮

小園海斗(C)日刊ゲンダイ

 プロ野球において「4番打者」は格別な響きを持つ。かつては王、落合、清原が、現在は岡本(巨人)や村上(ヤクルト)らがそうであるように、豪快なホームランで勝負を決めるーーそんな役割が求められる打順だ。

 しかし、一方で「つなぎの4番」も存在する。2005年のロッテ・サブロー(現二軍監督)を想起するファンも多いだろう。チーム31年ぶりのリーグ優勝に貢献したが、その成績は打率.313、14本塁打、50打点。一発よりもヒットで後続に打順を回し、チャンスの火に薪をくべ続けた。一般的な4番打者像とは異なるので、「つなぎの」と枕がつく。

 そんな「つなぎの4番」で首位を快走しているのが広島だ。今季は主に小園海斗(24)が任され、28日時点で打率.292、1本塁打、27打点。派手さはないが堅実な打撃で、チームの中核を担っている。

 楽天も交流戦中、4番に巧打者タイプの鈴木大地(34)を抜擢した。鈴木は交流戦では打率.283、1本塁打、7打点、出塁率.343。切れ目のない打線の形成に一役買い、球団の交流戦初Vに大きく貢献した。

 2005年に日本一を達成したロッテで守護神を務めていた、「幕張の防波堤」こと小林雅英氏(現エイジェックス投手総合コーチ)は「当時のロッテはベニーやイ・スンヨプなどの長距離砲もいた」と、こう続ける。

「それでも1番から9番の打順の中で、『いかに効率よく点を取るか』と考えた上で、バレンタイン監督(当時)が4番にサブローを抜擢した。もちろん、サブローだって監督に『つなぎの4番をやってくれ』と言われたわけではありません。楽天の今江監督は05年ロッテの主力打者。当時を知っているからこそ、大地の4番抜擢に踏み切れたのかもしれない」

打線が途切れにくいのはメリット

 投手として見た場合はどうか。

「『つなぎの4番』は嫌ですよ。特に当時のロッテのように、下位打線に長距離打者がいれば、なおさら。まったく気が抜けなくなる。上位打線ほど打順が多く回ってくるのは事実。打率を残せる打者をそこに配置し、下位打線には率は低いけど一発が期待できる打者を置く。オーソドックスではありませんが、これも理に適っており、特段デメリットもないでしょう。大砲タイプの打者は打率が低いこともあるので、その意味でも『つなぎの4番』なら打線が途切れにくいのはメリットのひとつです」

 岡本や村上に送りバントやエンドラン、進塁打のサインを出すわけにはいかないが、そんな遠慮や気遣いも無用。ベンチからすれば、采配の幅が広がるメリットもある。

 さらに小林氏が続ける。

「今季はセもパも『投高打低』が顕著。これという大砲がいないチーム事情があり、一発があまり期待できないとなれば、打率が低い長距離砲より、打率を残せる打者により打順を多く回そうと、広島や楽天が判断したのかもしれない」

 すでにメジャーでは「2番打者最強論」が定着。優れた強打者ほど2番に配置すべし、という風潮がある。

 打順の役割も時代と共に変わっていく。「つなぎの4番」が当たり前になる日も近いか。

  ◇  ◇  ◇

 広島は得点力に課題があるものの、なぜこれほどまでに勝負強いのか。広島で投手コーチや編成部長などを歴任した川端順氏らが分析する「劇的な変化」とはーー。

●関連記事【もっと読む】…では、それらの「納得の理由」などについて詳しく報じている。

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