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トムス GR86 TSは「一緒に育てていく」スポーツカー いい意味でオタッキーなのだ(小沢コージ)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年6月29日 9時26分

トムス GR86 TSは「一緒に育てていく」スポーツカー いい意味でオタッキーなのだ(小沢コージ)

実践型オーナーに向けたセミチューンド仕様(写真)小沢コージ

【小沢コージ クルマは乗らなきゃ語れない】

 トムス GR86 TS
 (車両価格:¥6,210,600/税込み)

  ◇  ◇  ◇

「クルマもドライバーも一緒に育てていくというのがコンセプトなので」(トムス開発者)

 発表は昨年だが、興味深いコンプリートカーに乗れた。その名は「トムス GR86 TS」。簡単に言うと日本が誇る大衆価格のピュアFRスポーツ「GR86」に、レーシングチームのトムスが本気で手を入れた公道向けのオンロードカーだ。

 そもそもGR86はトヨタGRとスバルが共同開発した珍しいスポーツカーで、2021年に現行2代目が登場。291万円ちょいのスタート価格で我々クルマファンを楽しませてくれている。

 ただ、そもそもベースのGR86だけでも十分楽しいのに、なぜさらにカスタム? と思う方もいるだろう。

 答えは簡単、まさにサーキット走行も辞さない、実践型オーナーに向けたセミチューンド仕様なのだ。“セミ”というのはエンジンからボディから足周りまで全面的に手を入れられたクルマではなく、タイトル通り「一緒に育てていく仕様」ということ。

乗ると「もうちょっと自分色に染めたい」と思えてくる

 事実、このGR86TSは自慢の235ps2.4ℓフラット4エンジンや内装、ボディ骨格には手を入れてない。そこは今後のパワーアップやブレイスバー補強の余地を残しており、基本的なトムス開発のアドヴォックス製20段可変ダンパーや強化スプリング、出力トルクを太くする専用マフラー「トムスバレル」、後輪トラクションを増すLSDの装着に留めている。

 その他、足周りのゴムブッシュの適正化や一部にハードなピロポールを使用するなど、長年トムスが培ったノウハウを投入、よりドライバーにクルマを感じさせる改良がなされている。

 実際の試乗車には、オプションの前後左右エアロキット「スタイリングパーツセットB」やリアタイヤ径の大きいブリヂストン製ハイグリップタイヤ、トムス鍛造アルミホイールが付いていたが、キモは「一緒に育てていく」こと。

 実際に乗ると走りが研ぎ澄まされているのはもちろん、「もうちょっと自分色に染めたい」と思えてくるから面白い。

GR86の走りを掘り下げたくなる

 まずクラッチペダルが普通に軽く、エンジンをかけると専用マフラーが乾いた音を響かせるのに気付く。走り出すと確実に足周りが硬く、それでいてステアリングフィールが格段にヴィヴィッドになっているのがわかる。普段手袋を付けてしていた作業を、いきなり素手で行うような違いだ。あれ、86ってホントはこんなにダイレクトだったんだ? と思う。

 同時にボディ各部の性能に色々気付いていく。まずステアリングの反応に敏感になり、タイヤグリップが良くなった分、もう少しボディ剛性が高いといいなと思う。凸凹路面で多少よじれる気がするのだ。さらにコーナーをハイスピードで走るとカラダが少しズレるのでシートは本格的なバケットタイプだといいなと思う。また高速を飛ばすともっとパワーがあればいいなと思う。

 この辺りの要求は人それぞれだと思うが、GR86の本来のポテンシャルが分かるようになり、もっと攻めたくなるのだ。

 カレーやラーメンにハマり、いろんな店を探究したくなるキモチというか、好きな小説家にハマって続編が読みたくなるようというか、GR86の走りを掘り下げたくなる。それがトムス TSの凄いところなのだ。

 価格は600万円からと正直甘くない。ただし欧米スポーツカーにハマることを考えれば高くもない? ってか(笑)

(小沢コージ/自動車ジャーナリスト)

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