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身に染みた「雨練」の重要性…“田んぼ状態”の中で普段のプレーができるか(小倉清一郎)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月1日 9時26分

身に染みた「雨練」の重要性…“田んぼ状態”の中で普段のプレーができるか(小倉清一郎)

豪雨の中、甲子園で試合を行う大阪桐蔭と東海大菅生ナイン(2021年)(C)日刊ゲンダイ

【松坂、筒香を育てた小倉清一郎 鬼の秘伝書】

 21日にやっと関東地方が梅雨入りした。

 7月の夏の地方大会直前が雨の時期になるだけに、最終調整で何をやるか。日程消化が優先される甲子園大会では、土砂降りの中でも試合を続行させられることが多い。

 横浜の部長だった1996年。センバツ初戦の大院大高との雨中の試合で、横浜は捕手の暴投で敗れた。徹底的に雨天練習をやって臨んでいたが、送球時に濡れた球が滑ったという。それだけ雨天時は難しいと身に染みている。横浜をはじめ大阪桐蔭などの強豪校は、だから、この時期に必ず「雨練」を行い、夏の大会に臨む。

 投手はズブ濡れになってもストライクが取れるか。内野手は田んぼのようなグラウンド状態でも捕球して正確に送球できるか。いざ土砂降りの中で試合をすることになっても、準備しておくだけで、精神的にだいぶ違う。

 室内練習場があれば、もちろん有利だ。

 よく横浜には立派な「室内」があると勘違いされるが、「鳥カゴ」を少し大きくしたような小ぶりなモノしかない。マシン打撃やティー打撃くらいしかできない大きさだが、この中でも、投手が投げて打者が打つシート打撃、時にはノックなどの守備練習を行うこともある。今ある設備や環境を最大限に利用するしかない。

 神奈川県では、昨夏の甲子園優勝校の慶応に高校独自の室内はなく、慶大のモノを借りている。東海大相模や桐蔭学園にはいい室内があるが、広くて立派なのは、平塚学園と立花学園である。

 室内がない公立校にオススメなのは「体育館」を使う練習だ。軽い守備練習は体育館でもできる。体育館の床ならイレギュラーバウンドはないし、逆シングル捕球など基礎的なことなら十分できる。体育館で硬球を使ったら怒られるだろうから、学校には言わず、こっそりやることだ。

 雨の日にミーティングをやっておくのも手だ。

 例えば無死一塁の守備で、10回中4、5回は送りバントだ。この場合、内野手はどう動くのか。さらに2、3回はエンドランで、1、2回は盗塁。捕手がこの確率を頭に入れておけば、バントの構えから盗塁を仕掛けられても対応しやすいだろう。

 梅雨が長い年は、どうしてもランニング量が減り、夏を乗り切るスタミナがつかない。特に投手にヘバリがくるから要注意だ。場合によっては雨の中でもアスファルト上をランニングした方がいい。室内で打ち込んで、調子の悪い選手が復調することもあるから雨の日の過ごし方は大事である。

(小倉清一郎/元横浜高校野球部部長)

  ◇  ◇  ◇

 日刊ゲンダイでは元横浜高校野球部部長の小倉清一郎氏と専大松戸の持丸修一監督のコラムを毎週交互に連載している。

【関連記事】にはそれらをピックアップ。ちなみに、掲載から約1カ月で有料会員限定公開に移行するため、今のうちに要チェックだ。

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