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小細胞肺がん余命を3倍に延ばす…革新的治療薬を米FDAが認可(シェリーめぐみ)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月1日 9時26分

小細胞肺がん余命を3倍に延ばす…革新的治療薬を米FDAが認可(シェリーめぐみ)

小細胞肺がんは肺がんの中でも進行と転移が非常に速い(C)iStock

【ニューヨークからお届けします】

 FDA米食品医薬品局が肺がん患者のための革新的な治療法を承認し、ニュースになっています。

 小細胞肺がん(SCLC)は、肺がんの中でも進行と転移が非常に速く、転移しやすい悪性度の高いがんとされています。喫煙により発症することが多く、中高年の男性に多い肺がんでもあります。アメリカでは毎年約3万5000人が小細胞肺がんと診断されていますが、発見された時には肺の外に転移しているのが通常だといいます。

 小細胞肺がんの治療法は過去数十年間、ほとんど進歩していませんでした。化学療法と免疫療法を組み合わせた治療がありますが、一度治癒しても95%の確率で再発するというデータもあります。

 しかし、今回承認されたアムジェン社の新たな免疫治療薬タルラタマブは、これまでの治験では、患者の余命を3倍に延ばし、服用後の生存期間の中央値は14カ月と報告されています。また薬を投与された患者の4割に効果があったとのことです。

 タルラタマブは二重特異性抗体で、T細胞とがん細胞との間に複合体を形成し、これによりT細胞を活性化させて腫瘍細胞を溶解させる仕組みです。

 ただし効果が高い反面副作用も強く、重いサイトカイン放出症候群(CRS)を発症する可能性もあります。CRSは免疫系が過剰に活性化されることで生じ、発熱や血圧低下、頻脈などの他、生命を脅かす合併症を伴う場合もあります。アムジェン社によると、タルラタマブを投与された患者の55%がCRSを経験したとのことです。

 NYタイムスの取材に答えたある医療関係者は、この薬により、場合によっては小細胞肺がんが他の慢性病のようなものになるかもしれないと語り、新たな希望と歓迎しています。

 なお、アムジェン社の日本のホームページによれば、タルラタマブは、2024年2月9日付で厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)

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