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男子バレー指揮官が絶対に避けたい“アテネの二の舞”…五輪直前に金候補と強化試合を組んだ意図

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月2日 11時45分

男子バレー指揮官が絶対に避けたい“アテネの二の舞”…五輪直前に金候補と強化試合を組んだ意図

日本代表(Volleyball World提供・共同)

 バレーボール男子日本代表が日本時間1日、ネーションズリーグ(VNL)決勝(ポーランド・ウッチ)でフランスに1-3で敗れた。それでも銀メダルを獲得し、主要国際大会では1977年W杯の銀以来、47年ぶりの好成績となった。

 世界ランキング2位をキープして今月26日開幕のパリ五輪に臨む日本代表のフィリップ・ブラン監督(64=フランス)は本番に向けて「全員、少し休暇をいただいて、その後にまた再集合して、五輪の前の合宿でポーランド(世界ランク1位)、米国、セルビアと小さなトーナメントをやる」と強化試合を行うことを明かした。

 23年世界選手権優勝のポーランド、23年北中米選手権覇者の米国の他、今回のVNLで主力を温存して若手主体の二軍メンバーで臨んだセルビアの3チームとも、金メダルの有力候補。特に米国は本番の1次リーグで日本と同じC組に入るライバルだけに、手の内を隠すため、対戦を避けるのが一般的だ。

 名将として知られるブラン監督が、それでも本番直前に強豪チームとの対戦を選んだのは、今回のVNLでの銀メダル獲得による選手たちの「慢心」を防ぐ狙いからだという。

 ブラン監督は過去に苦い経験をしている。母国フランスで初めてナショナルチームを指揮した際、02年世界選手権で同国初の銅メダルを獲得、翌03年の欧州選手権準優勝と立て続けに結果を残した。同年のアテネ五輪最終予選も7戦全勝で出場権を手にした。

選手のモチベーションを高める「メンター」としても定評あり

「フランス国民の期待が高まる中、五輪に臨んだものの、2勝3敗で1次リーグ敗退。五輪前の国際大会で結果を残しただけに、多くの選手が実力を過信していたことから、当時のブラン監督以下、ナショナルチームは国民の批判を浴びたのです。今大会の日本も世界ランク2位で、前評判が高いだけに、指揮官としては母国を率いて惨敗に終わったアテネ五輪の二の舞いを避けたいのでしょう」(バレーに詳しいスポーツライター)

 実際、47年ぶりの銀メダル獲得に、日本のスポーツメディアやネット上は大騒ぎ。SNS上では72年ミュンヘン五輪以来の金メダル獲得を期待する声があふれている。

 日本国内の期待も高まっていることから、選手たちがVNLの結果に浮かれることなく、五輪本番を迎えさせるため、あえて強豪やライバルと実戦を組んだのだ。

 ブラン監督は緻密な采配や戦術に加え、選手のモチベーションを高める「メンター」としても定評がある。果たして名将の狙い通り、緊張感を維持して五輪本番を迎えられるかどうか。

  ◇  ◇  ◇

 日刊ゲンダイは過去、チームのWエースのひとり高橋藍の周辺取材を実施。21年東京五輪まで男子バレー日本代表を率いた中垣内祐一前監督、高校恩師、親友らが語った高橋の「素顔」「ベールに包まれていた学園生活」「唯一の欠点」とはーー。

●関連記事【高橋藍を知る】…ではそれらについて詳しく報じている。

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