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旧ジャニーズ性加害問題 SMILE-UP.から救済対象外にされた被害者たちの慟哭

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月3日 11時12分

 広告代理店の夢は九州でかなえた。コネではなく、自分自身の力で。しかしジャニー氏からの連絡を絶った後も、視界をギザギザの光の波が遮る閃輝暗点、ひどい片頭痛に悩まされた。うつと診断されたこともあった。片頭痛は60代になった現在も、治っていない。

「あまりに酷い経験で、抱えきれなかったこともあり、ながく記憶を封印してきたのですが、昨年のBBC報道、平本淳也さんら当事者の会の勇気ある告発を見て、自分も声をあげることにしました。妻にも話せなかったことなのですが。トラウマ、フラッシュバック、不安、自殺も何度も考えた日々、人生を大きく狂わされた悔しさもありますが、こんなこと、絶対にあっちゃいけないと思うんです」

 スマイルアップ社に訴えたが、「事実確認できない」と却下された。補償うんぬんというより、その非情な、電話すら受け付けないむげな対応に憤りを覚えているという。

 この日の講演で、イェオファントン氏はこう訴えた。

「まだまだ長い道のりが被害者には残っています。補償が適切ではなく、十分ではないし、被害者との話し合いのもとに解決策が進められなければならないのに、救済策にアクセスできる環境すらない」

 平本氏らと並んで、ときに目を閉じては講演を傾聴した上田氏。救済とは名ばかりのスマイルアップ社による2次被害の苦しみが、その両肩に漂っていた。

(取材・文=長昭彦/日刊ゲンダイ)

  ◇  ◇  ◇

 スマイルアップ社の救済への動きの鈍さについては、●関連記事【もっと読む】国連は「救済措置が不十分」と指摘 旧ジャニーズ性加害問題で問われる東山社長「解決への本気度」で詳しく報じている。

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