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かかとのガサガサが治らないのは病気のサインでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月4日 9時26分

かかとのガサガサが治らないのは病気のサインでしょうか?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

「踵のガサガサ」主な原因は乾燥

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#25

 足の不快な症状のひとつに「かかとのガサガサ」があります。主な原因は乾燥です。靴を履いていると足は蒸れる一方で、自宅で過ごす時間が多かったり普段サンダルしか履かないなど、素足で過ごす時間が長いと足は乾燥し皮膚が硬くなります。とりわけ高齢者は皮脂の分泌量が減るので注意が必要です。

 さらに、サンダルなどかかとが固定されない靴を履くと歩くたびにかかとに摩擦が生じますが、スニーカーを履いていても靴ひもで足の甲がしっかりと固定されていなければ、靴の中で足が動いてしまいかかとに摩擦が加わります。刺激に対抗しようとかかとの皮膚が肥厚化すると、硬くなってひび割れてしまうのです。

 そのため洗いすぎてこすると角質がボロボロと剥がれ落ちたり、ひび割れた箇所が靴下に引っ掛かったり、ストッキングが伝線しやすくなります。悪化すると痛みが強くなり、「歩けない」と皮膚科を受診される方も少なくありません。

 そういった方には保湿剤を処方していますが、必ずしも処方薬がいいとは限りません。患者さんによっては市販のワセリンや尿素クリーム、シアバターでかかとの乾燥が改善されるケースも見られるため、診察の際にその方に合った保湿剤のアドバイスも行っています。保湿剤は入浴後の清潔な足に塗り、さらに保湿効果を高めたい場合にはその上から靴下をはいて就寝するといいでしょう。

 靴の履き方も見直しが必要です。かかとに摩擦が加わらないよう、スニーカーを履く際は毎回靴ひもを結び直してください。

 気を付けたいのが、他の病気が隠れているケースです。

 ある70代の女性は、かかとが乾燥し、痛くて歩けないと受診した近所の皮膚科で、足の乾燥に加え足白癬と診断されたそうです。しかし、処方された保湿クリームを塗っても改善しないため当院で皮膚の生検を行ったところ、膿のたまった膿疱ができる「掌蹠(しょうせき)膿疱症」と診断されました。

 この病気は人によっては進行すると、鎖骨や胸の前面に強い痛みを生じて日常生活に支障を来す恐れがあるので、早期に正しい診断を行う必要があります。

 かかとがガサガサする病気はほかにも、足裏の角質が厚くなる「角化型足白癬」や、体内にダニが寄生する「角化型疥癬(かいせん)」などが挙げられます。見逃さないためにも、保湿剤を塗っても乾燥が改善しないようであれば、他の病気を疑った方がいいかもしれません。

▽小川尊資(おがわ・たかすけ) 2003年順天堂大学医学部卒業、13年4月に順天堂大学医学部皮膚科学教室准教授を務め、19年足の疾患センター副センター長に就任。22年より順天堂大学医学部皮膚科学教室先任准教授を務める。

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