公判中のススキノ首切り殺人事件 息子と孫の「いびつな親子関係」について瑠奈被告の父方の祖父を直撃
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月4日 10時42分
殺害現場となったラブホテル(C)日刊ゲンダイ
「もう驚きません。事実なんだから」
はっきりした口調で答えた。ススキノの首切り事件で殺人罪に問われている田村瑠奈(30)と、精神科医で父親の修両被告(60=死体損壊幇助)の裁判で「いびつな親子関係」が明らかになる中、日刊ゲンダイは3日、父方の祖父を電話で直撃した。
札幌市の繁華街のラブホテルで男性会社員(当時62)が殺害されたのは、昨年7月のこと。同月には瑠奈被告と修被告に続き、母の浩子被告(61)も死体遺棄などの疑いで逮捕された。
日刊ゲンダイは昨年11月、修被告が生まれ育った北海道遠軽町を訪れ、祖父に話を聞こうとしたが、「ノーコメント」を貫いた。その理由について祖父はこう説明していた。
「何かしゃべると、その会社、テレビ局とか週刊誌とかでね、視聴率や読者を増やすための編集のアレ(利益)になる。『一切、しゃべらない方がアンタの利益になるから、以後、慎みなさい』って警察でも言われたし、検察からも言われたの。今、随分、長い勾留を受けてるでしょう。『そんな時に余計なことを言う必要ない』って言われた。裁判が終わって、対応やなんかが決まってから話します。それまでは一切、ノーコメントです」
家族3人は半年間の鑑定留置を終え、今年6月、浩子被告の公判が始まった。
今月1日の第2回公判に出廷した修被告の証言によると、瑠奈被告が18歳のころから自分を「シンシア」「ルルー」と名乗り、両親が「瑠奈」と呼ぶと「その子の名前で呼ばないで。瑠奈は死んだ」と、途端に不機嫌になったという。
「両親はひきこもりになった瑠奈に対し、社会とのつながりができるならと別の男性とのSMプレーを許し、父親が練習台になっていた。事件後、修は瑠奈からハンディーカメラを渡され、被害男性の頭部から眼球をくりぬく作業を撮影。頼みを断れなかったのも瑠奈が興奮して精神が破綻することを心配したから。両親は生活すべてにおいて、瑠奈の意向に従っていた」(司法担当記者)
■「裁判所に着く前に死んじゃうよ」
「いびつな関係」について祖父にあらためて話を聞くと、返ってきたのが冒頭の答えだ。祖父はこう続けた。
「娘に対する異常な接し方? ノーコメント。私の方に弁護士が来たわけでもないしさ。何も聞いてないんだから全然わかんない。弁護士から『裁判に来い』とも言われていないし、新聞、テレビでしか分かんねえから。裁判に行く予定? 90歳過ぎてからそんな気力あると思う? 車だったらどっかに止められるから自分で運転して行くんならいいけど。JRを乗り継いでヘタしたらどっかで放り投げられて(札幌地裁に)着くまでに死んじゃうよ。冗談じゃないよ。裁判のことは毎日気になる? ノーコメント。あんたたちと私の立場は違うからさ。あんたたちの方で大体裁判終わったから、出そろったからいいでしょって来ても、私の方にはさ、実際に関わっていないから、どれくらい話せるか分からない。私の立場としては当分の間ノーコメントじゃないの」
精神科医の父親は娘に「追い詰めない関わりをするのが望ましい」と感じていたそうだが、そんな「親心」が思わぬ悲劇を呼んでしまった。
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