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上腸間膜動脈解離…いつもと違う腹痛は命に関わる血管トラブルの危険あり

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月5日 9時26分

■一般的な検査ではわからない

 50代男性のケースからもわかるように、上腸間膜動脈解離を起こした場合、早めの対処が明暗を分けるといってもいい。そのために心がけておくポイントはどこにあるのか。

「お腹や背中に痛みがあり医療機関を受診したとしても、上腸間膜動脈解離を疑われることはあまりないでしょう。上腸間膜動脈解離はドップラー超音波検査で血管を細かく診たり、造影CT検査を行わなければ正確な診断はできません。強い腹痛を訴える患者さんでも、単純CT検査か一般的なエコー検査で異常がなければ、胃薬や鎮痛薬などで済ませるケースも少なくないと思われます。ですから、患者側は自分の『痛み』について注意を払う必要があります。これまでに経験したことがないような強い痛み、長く続く痛み、あおむけで強くなる痛み、悪化する痛みがあるときには上腸間膜動脈解離や大動脈解離などの血管トラブルの疑いがあるといえます。そのような痛みがあれば医師に正確に伝えた上で、精密検査を依頼するといいでしょう」

 もちろん、血管トラブルのリスク因子となる高血圧、高血糖、高脂血症といった生活習慣病を改善して、予防に努めることは大前提だ。

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