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想像を絶した新天地ベトナムの隔離生活 窓のない部屋にカンヅメ、体重が3キロ減った【松井大輔が激白】#15

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月11日 6時0分

想像を絶した新天地ベトナムの隔離生活 窓のない部屋にカンヅメ、体重が3キロ減った【松井大輔が激白】#15

横浜FCの三浦知良(右)と松井大輔(左端) (C)Norio ROKUKAWA / office La Strada

【流浪のファンタジスタ 松井大輔が激白】#15

 横浜FCでの3年間にはFWカズ(三浦知良=JFL鈴鹿)やMF中村俊輔(横浜FCコーチ)と再共闘。J1昇格やコロナ禍など多くの出来事に直面した。ポジションも前線からボランチに下がり、リベロやSBにも挑戦。年齢に応じた円熟味のあるプレーを見いだしつつあったが、2020年12月に3度目の海外挑戦に打って出た。

  ◇  ◇  ◇

 2018年1月に加入した横浜FCでは最初の2年間、J2で戦って2020年はJ1でプレーした。2019年こそ24試合.2ゴールとコンスタントに活躍した。しかし、その前後はケガにも見舞われ、思うような実績を残せずに苦しんだ。

 40歳目前になり、身の振り方も真剣に考えるようになった2020年11月。ベトナム1部に所属するサイゴンFCから興味深いオファーが届く。

「オーナーが明確なビジョンを伝えてくれ、トントン拍子に移籍話が決まりました。僕自身、2020年はJ1で3試合しか出ていなかったし、やはりサッカー選手である以上、ピッチで何も表現できない状況に悔しさが込み上げていました。だからこそ、再び海外からオファーをもらって凄くうれしかったですね」

 2021年1月16日のベトナムリーグの新シーズン開幕に向け、松井は12月11日に出国した。

 最大都市ホーチミンに到着したところまではよかった。だが、プロ経験20年超の百戦錬磨の男でも、コロナ禍による14日間の隔離は想像を絶するものがあったという。

「空気感染を防ぐためと言われ、窓のない部屋に入れられました。ドアを開けられるのは、ご飯が運ばれてピンポンが鳴る時だけ。一日の予定を埋めるために朝からベトナム語の勉強をして昼飯、筋トレとバイクの有酸素運動、氷を用意してのアイスバス、夕飯、ドラマや映画を見るといった流れをつくっていましたが、体重が3キロ減りました」と苦笑いする。

■霜田監督が解任され…

 隔離終了後、本来なら6~8週間かけて体をつくるべきなのに2週間で調整を済ませ、試合に出場する羽目になった。

 トップ下で起用されたのは「久しぶりの感覚でうれしかった」。とはいっても技術、戦術、グラウンド、審判レベル、リーグ組織などベトナムサッカーには問題が山積していた。

 それでも、開幕当初は「大輔中心のサッカーをする」と指揮を執っていた霜田正浩監督(現・松本山雅監督)が明言。松井も磐田や横浜FC時代より重用されるはずだった。

 が、3月末に霜田監督が解任され、4月には松井自身にも契約解除が報じられるようになった。

「実際のところ、契約解除報道は違ったんですけど、代理人のところに複数のJクラブから問い合わせが入りましたね。でも僕自身はベトナムで引退するつもりで行ったから、中途半端な形で終わりたくなかった」

 その後、ベトナムは長期のロックダウンに突入。

 さすがの松井も耐え切れなくなり、8月には「日本に戻ろう」と覚悟した。

 初めての東南アジア挑戦は不完全燃焼で終わったが、40代に突入した松井のキャリアはまだまだ続いていく──。

(取材・構成=元川悦子/サッカージャーナリスト)

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