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人材不足倒産が過去最大ペースで急増中…中小企業の人材流出進み、大手との賃金格差は開く一方

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月6日 9時26分

人材不足倒産が過去最大ペースで急増中…中小企業の人材流出進み、大手との賃金格差は開く一方

苦しい環境が続く(写真は、町工場が点在する東京都荒川区)/(C)共同通信社

 従業員の離職や採用難などを原因とする「人手不足倒産」が急増している。帝国データバンクが4日発表した調査によると、今年上半期(1~6月)だけで182件発生しており、前年同期の110件から大幅に増加。年間の過去最多を上回るペースで推移している。

「従業員10人未満」の小規模企業の倒産が全体の8割を占める。少人数の企業ほど「人手不足倒産」の負のスパイラルに陥りやすい。

「すぐに人員を補充できる大手企業と比べて、従業員が少ない中小企業ほど退職者が出るとダメージが大きく、経営が傾いてしまうことが多い。一度、経営難に陥ってしまうと、賃上げができず人材が確保できなくなる。社員の定着も難しくなってしまう。悪循環に陥り、倒産してしまうのです」(帝国データバンク情報統括部・旭海太郎氏)

 今年の春闘では、大手企業を中心に満額回答が続出。連合の最終集計では、賃上げ率が5.10%と33年ぶりに5%台を超えた。一方で、日本商工会議所の調査では、中小企業の賃上げ率は3.62%。企業規模による格差が浮き彫りになっている。

「賃上げの流れが加速し、より良い賃金を求めて労働市場は流動化しています。大手との賃金格差が鮮明になる中で、中小は人材の獲得が以前より難しくなっている。人材流出はこれから本格化していくでしょう」(旭海太郎氏)

 今後、生き残れる企業と淘汰される企業の二極化が進むとみられる。

「中小企業はより工夫を凝らした人事戦略が必要になります。特に、事業の継続のためには若い人材の獲得が必須。SNSなどを活用することで自社の魅力を伝え、Z世代の人材獲得に成功した例もあります」(旭海太郎氏)

 中小企業には苦しい環境が続きそうだ。

  ◇  ◇  ◇

 帝国データバンクの調査(6月7日発表)によると、洋菓子店の倒産が今年の5月までに計18件と急増しており、2000年以降で最も多かった19年(49件)を上回るペースとなっている。

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