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アリゾナ州フェニックスでは死者が10年で10倍に…米国で最も暑い街の悲劇

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月6日 9時26分

アリゾナ州フェニックスでは死者が10年で10倍に…米国で最も暑い街の悲劇

この10年間で暑さが原因の死者が10倍に…(写真はイメージ)/(C)iStock

【ニューヨークからお届けします】

 一瞬にして街を壊滅させる竜巻や豪雨による水害など、アメリカでは気候変動による苛烈な自然災害が、毎日のようにニュースになっています。

 そんな中、アメリカで最も暑い街と言われるアリゾナ州フェニックスでは、この10年間で暑さが原因の死者が10倍となり、衝撃を与えています。

 フェニックスの2023年7月の最高気温の平均は摂氏46度。2014年の41度から5度も高くなっています。最低気温の平均は34.5度で、こちらも2014年から3度上がっています。

 一方フェニックスのあるマリコパ郡では、暑さが原因とされる死者が昨年1年間で645人にのぼり、2014年と比べ10倍以上となりました。

 この驚きの数字が示しているのは、暑さが人を殺すという事実だけではありません。急激な気候変動に対し、対策がまったく追いついていないという現実です。

 例えば死者のうち290人はホームレスで、彼らはバス停やテントの中、歩道の上などで亡くなっているのが発見されています。フェニックスはアメリカで最も人口流入が活発な街としても知られていますが、同時にホームレス問題も深刻なのです。

 また250人は高齢者で、エアコンのない家の中などで亡くなっています。

 フェニックス市当局はこの夏、暑さから逃れるために誰でも利用できる施設、クーリング・センターを増設。またこれまでは昼間だけだったこうした施設を、夜間もオープンする方針です。しかしフェニックス市の財政は逼迫しており、現在の予算が尽きた後、どれほどのサービスが提供できるかの目処は立っていません。

 急激な気候変動の犠牲になっているのは、社会で最も弱い人々です。

 涼しい家さえあれば助かる命なのにと、関係者は苛立ちを募らせています。

(シェリーめぐみ/ジャーナリスト、ミレニアル・Z世代評論家)

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