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周りの目は正しいと悟り 唐沢寿明は役者として突出した個人になれた

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月7日 9時26分

周りの目は正しいと悟り 唐沢寿明は役者として突出した個人になれた

唐沢寿明(C)日刊ゲンダイ

【今週グサッときた名言珍言】

「僕らは大体、仕事といったらダムに行くか、採石場に行くか」
 (唐沢寿明/TBS系「日曜日の初耳学」6月23日放送)

  ◇  ◇  ◇

 日本を代表する俳優である唐沢寿明(61)が、無名時代に特撮ドラマのスーツアクターだったことは有名な話だ。ブルース・リーに憧れ、役者を志し、15歳のときに東映の守衛に直談判。それがきっかけとなり、16歳で東映アクションクラブに所属し始め、「仮面ライダー」シリーズのショッカー役などを務めていた。

 その当時を回想して語った一言が今週の言葉だ。続けて「いい経験でしたよ。仲間意識が生まれた。個人プレーはダメっていうのを学んだ」と振り返っている。

 だが、このままでは表舞台に出る役者になれないと感じた唐沢はクラブを離れた。転機になったのは、1987年の舞台「ボーイズレビュー・ステイゴールド」への出演だ。そこで出会った三生社・社長の橋爪貴志子から、チノパンなど爽やかな服を渡され、それを着てオーディションに行くと、それまでが嘘のように合格することができた。

 やがて、自分自身のキャラクターとは合わないと思っていたトレンディードラマに出演すると、ブレークを果たした。だから「衣装とか、メークとか、ヘアスタイルとか、自分で決めたことは一度もないんですよ。それはやっぱり、はたから見て『この役だから、この衣装を持ってきました』って衣装さんが持ってくるわけじゃないですか。それを着るのが一番正しい」(NHK・Eテレ「SWICHインタビュー達人達」2015年12月19日)と考えるのだ。

 特撮時代に「個人プレーはダメ」だと学び、デビュー当初に「周りの目が正しい」と知った。だからだろう、唐沢は何よりも周りの人たちを大事にしている。「唐沢会」と呼ばれる飲み仲間は、谷原章介、伊藤沙莉、広瀬アリス、窪田正孝、宇多田ヒカルら錚々たるメンツが名を連ねている。

 その初期からのメンバーである及川光博は、私生活では“引きこもり”気味だった時期に、唐沢が半ば強引に温泉に誘い出し、心を開かせた。及川は唐沢のことを「アニキ」と慕い、「僕の外食費はほとんど唐沢さんがもってるんじゃないかって」(フジテレビ系「めざましどようび」15年2月7日)と笑う。

 近年では妻・山口智子と夫婦そろってチャリティー活動も積極的に行っている。冒頭の番組でも「自分のためにはやらないんですよ。誰かのためにっていう方が、やりやすい。頑張れる」と語っている。個人ではなく周り第一。だからこそ、逆に役者個人として突出した存在になったのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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