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動けなくなってインスタで助けを…ボディービルダーの渡辺和也さんギランバレー症候群を語る

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月8日 9時26分

動けなくなってインスタで助けを…ボディービルダーの渡辺和也さんギランバレー症候群を語る

ボディービルダーの渡辺和也さん(C)日刊ゲンダイ

【独白 愉快な“病人”たち】

 渡辺和也さん(ボディービルダー/26歳)
  =ギランバレー症候群

  ◇  ◇  ◇

 もう完治はしているんですけど、いまだに握力が以前の50%程度しかありません。でも握力ゼロの時もあったので、ずいぶん回復したほうです。

「ギランバレー症候群」は一般的に食中毒がきっかけで起こり、末梢神経に障害が出る病気です。僕の場合はカンピロバクターというウイルスで食中毒を起こし、免疫システムがウイルスを攻撃してくれたものの、ウイルス以外にも攻撃を続けて末梢神経まで傷つけてしまい、最終的に歩けなくなりました。

 食中毒の症状が出始めたのは昨年11月ごろでした。1日10回ぐらいトイレに行く状態になったのです。1週間後、お腹の症状が治ると、今度は徐々に筋力の低下を感じるようになりました。でも、10月にボディービル大会が終わったばかりだったので「疲労かな。そのうち治るだろう」と考えていました。

 さらに1週間もすると日常生活に支障が出るレベルで悪化していました。なんとかパーソナルトレーナーの仕事は続けていたのですが、ある日、午前の仕事が終わった帰り道で急に立てなくなってしまったのです。外のベンチで動けなくなりました。どうしたらいいのかわからなくなって、インスタグラムのストーリーに今の自分の状況をアップして助けを求めました。

「急に立てなくなり、手も動かずスマホを打つのもやっとです。病院に行こうにも何科に行けばいいかもわかりません。誰か教えてくれませんか?」

 すると、いつも通っている整体の先生から「たぶんギランバレー症候群だから、すぐに救急車かタクシーを呼んで病院へ行ってほしい」と返信が来たのです。急いでタクシーに乗り、近場の病院に飛び込みました。

 問診で「過去1週間ぐらいに食中毒の症状はありましたか?」と聞かれ、「はい」と答えると、次は膝の腱反射を検査されました。膝のところを木づちなどで軽くたたくと、正常なら脚がピョコンと上がるものなのですが、無反応でした。「確実にギランバレー症候群です。今すぐ入院してください」と言われました。

「え? 痛くも苦しくもなく、ただ動けないだけなのに入院?」と思いましたが、大学病院を紹介され、そのまま入院です。この病気は重症化すると呼吸筋に影響して呼吸困難になる可能性があるのです。さらに医師からは30%の確率で後遺症が残ると言われました。人によっては車イス生活、一生しびれが続くこともあるとか……。それを聞いたとき、初めて事の重大さを知りました。

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