大谷が米国人の「笑顔とベタ褒め」を真に受けてはいけない理由…背後に納得の日米文化差異
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月8日 17時30分
![大谷が米国人の「笑顔とベタ褒め」を真に受けてはいけない理由…背後に納得の日米文化差異](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/gendainet/gendainet_1056608_0-small.jpg)
大谷翔平(C)ロイター/USA TODAY Sports
「彼ならリセットできると確信していた」「いつものショウヘイが戻ってきた」「こんな選手は見たことがないよ」
ドジャースの大谷翔平(30)が日本時間7日のブルワーズ戦で28号本塁打を含む2打数2安打3四死球。前日までの6打席連続三振がウソのような全5打席出塁で勝利に貢献すると、ロバーツ監督はこう言って美辞麗句を並べた。
去る6月27日、大谷が2試合連続の先頭打者本塁打を放つなど球団新記録となる10戦連続打点をマークした際には、「地球上で最も危険な打者」とすら言っている。
大谷をこれでもかと褒めちぎっているのは身内の指揮官に限らない。米メディアやメジャーリーガーたちは大谷のことを「ユニコーン(一角獣と呼ばれる伝説上の生き物。現実離れした存在を示す)」と呼ぶ。
大谷は投打の二刀流としてMVPを2度獲得している。プロスポーツ界で最も稼ぐスーパースターには違いないとはいえ、「地球上で最も危険な打者」とか「伝説上の一角獣」とは、いくらなんでも盛り過ぎじゃないか。
そういえばメジャーの監督は、選手の悪口をほとんど言わない。日本人選手がどれだけミスをしても、どんなに不調が続いても、決してなじったりはしない。「野球はミスのスポーツ」「能力はある」などと、むしろ褒めたりもする。アメリカ人はウソつきなのか。
「う~ん、ウソつきと言えば、ウソつきかもしれません」と米紙コラムニストのビリー・デービス氏が苦笑交じりにこう続ける。
「大袈裟な言い方をしたり極端な表現をしたりするのはある意味、アメリカの文化なのです。たとえばよく、『wait a minute』『wait a second』(ちょっと待って)と言うじゃないですか。厳密に言えば、ほんの少し待ってという意味ですが、10分以上待たせることも珍しくないし、待たされる方も文句は言いません。大谷を本物の化け物と表現するのも一緒です」
藤浪晋太郎(30=メッツ傘下)を筆頭に「ポテンシャルはスゴい」などと言われながら、結果が伴わずにさっさとマイナーに降格させられた日本人選手はごまんといる。
大谷に関してもアメリカ人は「ユニコーン」などと表現しながら、腹の中は別。相手投手は打たれるくらいなら歩かせるし、この日のように「伝説上の一角獣」に対して死球を見舞うこともいとわないのだ。
◇ ◇ ◇
そんな大谷だが、開幕当初から指摘されてきた勝負弱さは相変わらず。チャンスに限れば平凡な打者になってしまう。 本人は力みを否定しているが、得点圏で出てしまう「悪癖」とは。
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