1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

乳がんとお金(1)在住地域の助成金をチェックし必要に応じて速やかに申請

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月9日 9時26分

乳がんとお金(1)在住地域の助成金をチェックし必要に応じて速やかに申請

乳がんと診断されたら(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 昨年12月、定期検診で訪れた乳腺クリニックで乳がんのステージ1と診断された。

 当然大きなショックを受けたわけだが、命の心配もさることながら、最も頭を悩ませたのがお金についてだ。50代、配偶者・子供なし、フリーランス。貯金は多くない。

 会社員であれば、病気による休業に対し、加入している健康保険から給与の3分の2程度を支給される「傷病手当金」があるが、個人事業者にはそういったものがない。生検などの検査ですでに5万円以上かかっており、今後もし働けなくなったとすると、治療費はおろか、生活費にも困る可能性がある。

 まずチェックしたのが住んでいる区の情報だ。インターネットで「○○区 がん 助成金」で検索すると、がんの治療に伴う脱毛や乳房の切除などを行った場合、ウィッグや人工乳房、補正下着などの購入費用を助成してくれるシステムがあるとわかった。ただし、上限は10万円で、生涯で申請できるのは2点のみなので吟味が必要だ。

 さらなる情報を求めて区の保健センター内の「がん情報コーナー」に行った。対応してくれた現役の看護師によると、区から受けられる助成金は前述のものだけ。ただ、「限度額適用認定証」を教えてもらったことは大きかった。

 医療機関などでの窓口の支払いが高額となると、申請することで1カ月に支払う医療費の自己負担額の上限を超えた額が払い戻される(高額療養費制度)。しかし、一時的な支払いも大きな負担だ。

 そこで、限度額適用認定証の出番となる。認定証を保険証と共に医療機関の窓口で提出すると、1カ月の支払いが最初から自己負担限度額までとなる。

 限度額適用認定証は高額療養費制度と同様、申請が必要だったが、2021年10月から、マイナ保険証(健康保険証利用登録を行ったマイナンバーカード)を利用すれば申請が不要。ただし、いくつかの条件に該当している場合に限られる。

 なお、私の場合は自ら申請した。区役所の国民健康保険係で、10分ほどで発行された。

■「その先生で大丈夫?」と言わないで

 家族や友人、知人からがんを打ち明けられた時、「その病院/先生で大丈夫?」と言った経験がある人もいるのではないだろうか。

 がん患者は生死にかかわる病気がわかり精神的に追い詰められている。検査結果を待っている時はなおさらだ。そんな中、もし医療従事者らがんに明るい人から「この病院にコネがある。すぐ診てくれるから行ってみて」などと言われたら、とても心強いだろう。

 しかし、大抵はそうではない。「病院/医師をかえたら?」と言われても、イチから探すのは患者自身。好意とわかりつつ、「そんなに簡単に言うなら、どうかいい病院と先生を探して教えてください」と返したくなる。

 病院や先生をかえて治療に遅れが出ないか。自分の選択は間違えているのか。不安や焦りに襲われ精神のバランスを崩す人もいるかもしれない。

 がん相談支援センターでは「周囲から治療について口出しされることがストレス。がん治療中の方にとても多い悩みです」という話があった。

 相談やアドバイスを求められた場合は別にして、がん当事者が決めた病院や医師、治療法にむやみに意見を述べるのは控えてほしい。「家族ががんで」と言われた時も同様。自分ががん患者となって心から思ったことだ。少なくとも私は、今後がんに罹患した人には言うまいと決めている。

(源祥子/フリーライター)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください