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予後がまるで違う! 回復期リハビリテーション病棟の使い方【親を要介護にさせたくない】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月9日 9時26分

予後がまるで違う! 回復期リハビリテーション病棟の使い方【親を要介護にさせたくない】

回復期リハビリテーション病棟は心身ともに回復した状態で自宅や会社に戻す役割を担う

【親を要介護にさせたくない】#7

 要介護状態となった人の原因として上位を占めているのが、脳血管疾患、骨折・転倒、関節疾患。これらの疾患は適切な治療を受けることで社会復帰が期待できる。

 ただ、高齢者の場合、いくつかのリスクが付きまとう。長い入院生活による認知症の不安と足腰の弱体化だ。それを避けるため、急性期を脱したら、すぐに本格的なリハビリを開始したい。

 そこで注目してほしいのが回復期リハビリテーション病棟の存在だ。前述の脳血管疾患や大腿骨骨折など、特定の疾患で急性期を脱した患者に対し、リハビリ専門職がチームを組み、心身ともに回復した状態で自宅や社会に戻す役割を担っている。

 つまり、治療や静養が目的ではなく、日常生活を取り戻すための訓練(リハビリ)の場なので、病棟と名が付いていてもパジャマを着るのは寝る時のみ。日中は運動に適した服装が求められ、1日最大9単位(3時間)までの集中リハビリを受けることができる。食事もベッドから離れた場所で取るのが一般的だ。

 高齢者にはちょっとハードな印象を持つかもしれないが、リハビリを担当する作業療法士や理学療法士は若いスタッフが多く、マンツーマン指導になるので年寄り扱いされたくない高齢者のウケもいい。筆者の母も腰椎圧迫骨折のリハビリで2カ月間お世話になり、最初は伝い歩きしかできなかったのに、自力で階段昇降できるまでに回復した。急性期病院を退院した後、自宅に暮らしながらリハビリを続けていくと、確実によい結果が生まれることだろう。

 回復期リハビリテーション病棟への入院は、急性期病院からの転院という形になるのが一般的だ。担当医から勧められるか、もしくは家族や本人の希望によるケースの2通りあるが、まずは急性期病院のソーシャルワーカーに相談するのが望ましい。希望する候補をリストアップしておくことも忘れずに。リハビリは早期に始めるほど効果が高いので、できるだけ早めに話を進めたい。

 回復期リハビリテーション病棟の詳しい説明や全国のリストは「回復期リハビリテーション病棟協会」のHPで確認することができる。全国におよそ2000棟、9万5000床ほどの届け出がある(2023年度)。入院できる期間は疾患別に60~150日の上限が定められ、自ら進んで入院する病棟とはいえ、ちゃんと保険適用されるし、医療保険の入院給付対象にもなることも覚えておきたいポイントだ。

(西内義雄/医療・保健ジャーナリスト)

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