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MLBホームランダービー超過酷化の背景に放送局の視聴率稼ぎ…大谷は辞退、21年は不調のきっかけに(友成那智)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月10日 11時42分

MLBホームランダービー超過酷化の背景に放送局の視聴率稼ぎ…大谷は辞退、21年は不調のきっかけに(友成那智)

大谷翔平(C)共同通信社

【メジャーリーグ通信】

 ドジャースの大谷翔平がオールスター前日に行われるホームランダービーに出場しないという発表が球団からあった。

 表向きの理由は、昨年9月に右肘の手術を受けて回復途上にあるためホームランダービーに出場すれば肘に大きな負担がかかる恐れがある、というものだ。

 しかし実際は、2021年にホームランダービーに出場したことで微妙な感覚が狂い、本塁打数が大幅にペースダウンしたため、その二の舞いになるのを避けたのだろう。

 ホームランダービーは14年までは選手殺しの過酷なイベントではなかった。それまでも計8人が参加して第1ラウンドを戦い、その勝者4人が第2ラウンド(準決勝)に進出。その勝者2人で決勝戦を行うという形式は今と同じだが、1つのラウンドは10アウト(本塁打にならない打球=1アウト)までに打った本数を競う方式だったので、各ラウンドで出る本数は5~7本程度、時間も1分半くらいで終わった。

 しかしホームランダービーの視聴率が好調で、放送局から視聴率をさらに上げるため、より本塁打が出るようルールを変更してほしいという要望があり、15年から各ラウンドを制限時間4分とし、134メートル以上のアーチを2本以上打った打者には30秒のボーナスタイムが加算される現在の方式に変わった。

 これにより、1つのラウンドで出る本塁打は約4倍の25~30本になった。スイングして本塁打が出る確率は4割前後なので、1ラウンドで60~80スイングすることになり、決勝ラウンドまで勝ち上がった選手は疲労困憊、打席でよろける者も出るようになった。

 ホームランダービーに出る選手は大きなプレッシャーの中で打席に入り、力んでスイングするため、ケガをする者もいる。

 昨年のホームランダービーでは、ホワイトソックスのルイス・ロベルトが、第1ラウンドでスイング中にふくらはぎの筋肉のけいれんを起こした。

 MRI検査を受けたところ、軽い肉離れが起きていることが判明したため、医師から負傷者リスト入りを勧められた。が、ロベルトはア・リーグの本塁打王争いでトップの大谷翔平と6本差の2位につけていたため、それを拒否。様子を見ながら出場を続ける選択をした。

 しかし、ふくらはぎを痛めて下半身のパワーをフルに使えなくなったため生産ペースが低下。大谷との差は開く一方だった。その大谷は昨季9月4日以降欠場したので、ロベルトはこのケガがなければ、最後の最後で追いついていた可能性がある。

(友成那智/スポーツライター)

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