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赤ちゃんを抱っこしようとした途端、腰、お尻、脚に痛みと痺れ【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月10日 9時26分

赤ちゃんを抱っこしようとした途端、腰、お尻、脚に痛みと痺れ【ひどい腰痛も8割治る】

以前神経根ブロック注射の治療を受けていたものの…

【ひどい腰痛も8割治る】#23

 群馬県からいらしたその患者さんは、37歳の医師。8年前に一度ギックリ腰を起こし、勤務する病院でMRIを受けたところ椎間板ヘルニアとの診断。3日間入院し、神経根ブロック注射の治療を受けたとのことでした。

 それから6年。出産し、子育て、家事、仕事と忙しくされていた日のこと。

「いつものように赤ちゃんを抱っこしようとしたら腰からお尻、脚に痛みが走り、しびれも出てきました。それからは中腰など低い位置から立ちあがろうとするたび痛みが出る状態が続いています」(患者さん)

 神経根ブロック注射についてはこれまでにもご紹介してきました。大がかりな手術とは違い、注射で麻酔薬を直接患部の神経近くに注入し、痛みが伝わる経路をブロックして痛みを取る方法です。痛みが緩和され筋肉の緊張や血行が改善されるため、長期的に痛みの緩和が期待できます。ただ、この患者さんの場合は術後6年目で効果が薄らいでいたところに、腰に負荷がかかる動作が重なり、痛みがぶり返したのでしょう。

「以前はスキーもやっていましたが、出産後は全く。腰痛もあって、今はそれどころではありません」(患者さん)

 改めて診察した結果は、やはり椎間板ヘルニア。ヘルニアが飛び出ている場所も、最初の診断時と同様でした。

 特殊なジェルを患部に注入するセルゲル法を希望されていたので、まずは次のことを説明しました。それは、効果はすぐ出ず、3週間から3カ月くらい経ってからになること。治療後1日~2週間程度は、重い痛みが出現すること。治療後5日から1週間程度で症状が増悪する可能性もあること。了承を得られたので、治療実施となりました。

 この患者さんは、いい意味で想定が外れました。術後から1週間目ではまだ少し痛みが残っていたものの、その後は順調に回復。3カ月目には早くも腰や臀部の痛み、痺れの症状が全て消え、お子さんをいっぱい抱っこできるようになり、「甘えん坊になって困る」といううれしい報告までいただいたのでした。

 比較的若く回復力があったということに加え、日頃からの精力的な活動である程度の運動量が確保され、血行の増進や筋力を維持できていたことが、回復の順調さにつながったと考えています。

(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)

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