1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

“盲目のピン芸人”濱田祐太郎の街ブラ番組「ブラリモウドク」 健常者には見えない“死角”が見えている

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月13日 9時26分

“盲目のピン芸人”濱田祐太郎の街ブラ番組「ブラリモウドク」 健常者には見えない“死角”が見えている

「R-1ぐらんぷり2018」優勝者の濱田祐太郎(C)日刊ゲンダイ

「R-1ぐらんぷり2018」の優勝者でもある、視覚障害のある毒舌のピン芸人、濱田祐太郎(34)と藤崎マーケット・トキ(39)による街ブラ番組「濱田祐太郎のブラリモウドク」(ABCテレビ・6月29日放送)が面白い。

 同番組は毎回違ったゲストが登場し、大阪府内の“推し街”のおススメスポットを2人に案内するのが同番組の特徴。記念すべき第1回は、“生まれも育ちも堀江”“日本とアメリカのハーフ芸人”であるエナマキシマのグレン世紀(23)。そんな彼が地元一押しの店へと導いていく。

 特に印象的だったのは、オリジナルバーガーや自家製のクラフトコーラを味わえる店「ガクヤバーガー」のシーン。コーラの風味となる果物を選ぶ折、匂いで当てられるか濱田の鼻の鋭さを試す展開に。濱田が「スイカ」と答えると、「マンゴーやがな」とトキ。その後、「僕ね、慢性鼻炎なんですよ」と言い訳する濱田に独特の愛嬌を感じた。

 続く古着店への移動中、濱田が「ビックリしたわ。さっきのハンバーガー屋さんさ、俺大将の声普通に50代の人やと思って聞いてたけど、30代ぐらいの人」と男性店長の声質で年齢を想像していたあたりも興味深い。

 また番組の序盤で、難波の空気感が好きと言いながら「独特の、なんか犬のおしっこみたいな臭いがしてますね」と笑わせ、堀江の街を歩く中で「点字ブロック1個もない」「お洒落なだけの街」と口にするあたりに、濱田ならではの着眼点を感じた。

 かねて濱田は「バラエティー番組に障害のある芸人やタレントはほとんど出演していない」とテレビ制作の在り方に疑問を呈しており、今回の冠番組は念願がかなったといえる。

 2022年に「水曜日のダウンタウン」(TBS系)のドッキリ企画に吃音のあるインタレスティングたけしが出演し、NPO法人「日本吃音協会」がTBSに抗議する騒動となったことも記憶に新しい。障害のある芸人は“腫れ物扱い”されやすく、今でもバラエティーで目にする機会はほとんどないのが現状だ。

 しかし、今回の番組のように、障害があるからこそ、ハッとするようなシーンやフレーズが飛び出すこともある。健常者ゆえに見えていない、もしくは理解できていない死角があると感じてならないのだ。

「ブラリモウドク」は、ABCテレビの若手ディレクターたちが企画した15分のバラエティー6番組を激突させる「ちょいバラトーナメント」のうちの一つ。全4回でより多くの得票数を集めた番組が30分特番をゲット、年間チャンピオンになれば1時間特番が決定する。

 発見の多い同番組が特番で放送されることに期待したい。

(鈴木旭/お笑い研究家)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください