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財務省“不意打ち介入”で1ドル=157円台に急伸も…識者は「円安は止まらない」と効果に疑問符

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月14日 9時26分

財務省“不意打ち介入”で1ドル=157円台に急伸も…識者は「円安は止まらない」と効果に疑問符

乱高下(C)日刊ゲンダイ

 ジェットコースターのような値動きだ。11日の外国為替市場の円相場は、予想を下回る米消費者物価指数(CPI)の発表後にドル売り円買いとなり、1ドル=161円台後半から157円台前半まで4円以上も円高方向へ急伸。その後12日の東京市場で1ドル=159円台まで円安に振れたかと思いきや、再び158円台となるなど1円以上も円高が進んだ。

 例によって財務省は「為替介入については、有無も含めてコメントは控えるというのが基本的立場だ」(鈴木財務相)とダンマリだが、あまりに急激な円高に市場では「介入が行われた」との見方が根強い。

 日銀は12日、週明け16日の当座預金残高について3兆1700億円が不足するとの見通しを公表。民間予測と大きなズレが生じることから、介入額は約3兆4000億~3兆6000億円の規模とみられている。

 気になるのは、なぜ、このタイミングなのかだ。経済評論家の斎藤満氏がこう解説する。

「すぐに介入に使える外貨準備は約20兆円と見込まれており、GWの大型連休中の介入で約10兆円を使ったので、手元には半分が残っているとみられます。介入資金が底をつきそうだと市場に受け止められれば、円売りドル買いの材料になってしまう恐れがある。したがって、手元の“武器”を少しでも残しておくために、1回の介入で最大の効果を発揮したい。それゆえ、米CPIの発表によって生じた円買いの動きに便乗したのでしょう。発表直後の急速な円高進行を見るに、恐らく財務省はCPIの数字を事前に把握していたのではないか」

■効果はあったが対症療法

 もっとも、一時的に円高に振れたとはいえ、歴史的な円安に歯止めをかけられそうにない。

「4円以上も円高に振れたので、介入そのものの効果はあったと言えますが、単なる時間稼ぎに過ぎません。一時しのぎにはなっても、対症療法に過ぎず、効果が長引くかは疑問です。足元の円安は日米の金利差が要因のひとつではあるものの、日本経済の停滞に伴い円の魅力が落ちているのも事実。対ドルだけでなく、全面安です。自動車産業に依存した一本足では日本の競争力はジリ貧です。為替差に頼った戦略を改め、新産業で稼ぐ活路を見いださない限り、円安基調に歯止めがかかるとは思えません。このままでは1ドル=360円の固定相場制の時代に逆戻りですよ」(斎藤満氏)

「不意打ち介入」を繰り返しても、いたずらに資金を減らすだけ。円安を放置し続けた政府・日銀の罪は重い。

  ◇  ◇  ◇

 円安物価高の“A級戦犯”とされる黒田東彦・前日銀総裁が瑞宝大綬章を受章したことが物議を醸している。●関連記事【もっと読む】で詳しく報じている。

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