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エビアン逆転V!古江彩佳の「変えない強み」 どんな状況でもリズム、スイング、表情まで変化なし(羽川豊)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月16日 17時13分

エビアン逆転V!古江彩佳の「変えない強み」 どんな状況でもリズム、スイング、表情まで変化なし(羽川豊)

古江彩佳(C)共同通信社

 鬱憤を晴らす大逆転劇でした。

 エビアン選手権最終日。首位に1打差2位タイから最終組でスタートした古江彩佳(24)が、1イーグル、6バーディー、2ボギーの「65」をマークし、通算19アンダーで日本勢4人目のメジャー制覇を成し遂げました。

 12番パー4のボギーでトップとは3打差。今季はベスト10入りが8度もあり、何度も優勝を逃してきたシーンが蘇ります。

 ところが、14番パー3で10メートルのバーディーパットを沈めると、続く15番パー5では13メートル以上のロングパットがカップイン。16番パー3はグリーン右半分の傾斜を利用してピン左2メートルに寄せて3連続バーディー。神懸かり的なプレーで猛追する。これまでの古江とは違いました。

 それを見た同組のライバルたちは初優勝を意識してミスを連発。古江は18番パー5もピンまで175ヤードの第2打を6番アイアンでピン左4メートルにオン。このイーグルパットを見事に決めて文句なしの優勝です。出場を熱望したパリ五輪代表を逃した悔しい思いを、フランスの地で晴らしたと言えましょう。

 古江の身長は153センチ。米女子ツアーでは西村優菜(23=150センチ)と並んでとても小柄です。大柄な欧米選手に飛距離(ドライバー平均飛距離250.75ヤード=122位)ではかないませんが、平均スコア(69.887)、バーディー数(237個)、トップ10フィニッシュ(9回)は、いずれも同ツアーのトップ。パーオン率(71.7%)11位、平均パット数(29.12)12位。ショットの精度とパット力があれば、メジャーに勝てることを証明しました。

 実は、古江の最大の強みはスタッツに表れない点にあります。

 今回の会場はレマン湖に向かって傾斜があり、第1打をフェアウエーに置いても、つま先上がりやつま先下がりのライが多い。古江がイーグルを奪った18番の第2打も、ややつま先下がりでした。ライが平地でなければ、打ち出す方向やスイングが変わります。つま先下がりなら球をつかまえにいく選手もいますが、古江は違います。

 プロなら雨が降ってドライバーの飛距離が落ちれば、少し高弾道のボールを打ったり、風が吹けば逆に低弾道のボールでグリーンを狙うこともできますが、トップ位置やインパクトの強さを少し変えただけで、その後のスイングに影響することもある。しかし、古江はどんな状況でもプレーのリズムやスイングが同じなのです。パッティングも同様です。

 もう一つ付け加えればバーディーを取ってもミスをしても表情に大きな変化は見られません。メンタルコントロールにも長けている。国内ツアーで見つけた自分のプレースタイル、持ち味を今も貫いています。ここまで自分のゴルフを徹底できる選手はまれです。

 それにしても、今季の海外メジャーで日本の女子選手は優勝2回、2位2回。さすがにここまでの成績は予想していませんでした。パリ五輪やその後の聖地・セントアンドルーズが舞台の全英女子オープンも楽しみです。日本選手の大活躍により、国内から来季の米女子ツアー参戦を目指す若い選手が増えるに違いありません。

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