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肥満の人がウオーキングをする際に気を付けるポイントは?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月18日 9時26分

肥満の人がウオーキングをする際に気を付けるポイントは?【日本版「足病医」が足のトラブル解決】

写真はイメージ(C)iStock

【日本版「足病医」が足のトラブル解決】#27

 病気の発症を予防して、健康寿命を延ばすには「1日8000歩」歩く必要があるといわれています。ただ、肥満の人が無理に歩こうとすると体重が足にのしかかり、足の痛みにつながりやすい。

 ある60代後半の男性は、メタボ体形に加えて健診で肝臓の数値が悪いと指摘され、受診した近所の内科で運動習慣を身に付けるよう勧められたといいます。そこで毎日欠かさず1時間のウオーキングを続けるうちに、足が痛くて歩きづらいと当院を受診されました。

 足裏にはアーチと呼ばれるクッションがあり、足が地面に接地し荷重が加わった際の衝撃吸収を担っています。

 しかし、体重80キロの人が8000歩歩くとすると、左右それぞれの足に4000回、40キロの重さがのしかかります。体重が重いほど足にかかる負担が増えるので、無理に歩くとアーチが潰れて足は変形していきます。良かれと思って歩いていたのに、それがあだとなり足の健康を害してしまう恐れがあるのです。

 足の形状を保つには、足を鍛える必要があります。骨の周囲には筋肉が付着していて、足の形は筋肉によって維持されています。背筋がないと背中が丸まってしまうのと同様に、足も筋力が衰えると骨格が崩れてしまう。

 筋力を向上させるためにも、①壁に向かって立ち、両手を壁につけたらゆっくりと両足のかかとを上げて下ろす「かかと上げ運動」や、②床にフェースタオルを広げて敷き、足の指で引き寄せる「タオルギャザー」を毎日行うといいでしょう。

 歩き方も見直しが必要です。歩行時に体重がつま先ばかりにかかると、足の痛みはもちろん、巻き爪を起こしやすい。

 歩く際は、下腹部に力を入れながらお尻の穴をキュッと引き締め、かかとに荷重がかかるイメージで足を前に踏み出します。

 かかとが地面に着いたら、アキレス腱をしっかりと伸ばしつつ小指と親指に体重をかけながら踏み返してください。

 ただアキレス腱が硬いと踏み返し動作の際に必要な可動域を得られず、スムーズな歩行が難しい。ウオーキングする際は、歩く前と歩いた後にアキレス腱をしっかりと伸ばしましょう。

 日常生活を送るうえで歩行は欠かせません。足にかかる負担を少しでも軽減させるためにも、適切な運動や歩き方で足の形状を保つことが大切です。

(田中里佳/順天堂医院足の疾患センター長)

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