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日本株「試金石の7月」に…年初から9000円上げたが高揚感なし、景気や政治と乖離(中西文行)

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月19日 9時26分

日本株「試金石の7月」に…年初から9000円上げたが高揚感なし、景気や政治と乖離(中西文行)

史上最高値を更新しても…(C)日刊ゲンダイ

【経済ニュースの核心】

 日経平均株価(終値)は、先週11日に4万2224円と史上最高値を更新した。大発会(1月4日)の安値3万3288円から約9000円も値上がり。価格形成に決定力を有しているのは、市場売買代金の約6割を占める海外投資家である。

 実際、日本取引所グループの投資主体別売買動向(週間)を見ると海外投資家は、5月4週から6月3週まで5週連続で売り越したが、6月4週に買い越しに転じ、7月1週も買い越し、それぞれ1239億円、1836億円の買い越しだった。これが日経平均株価の高値更新の要因であろう。

 逆に、個人投資家は6月4週に売り越しに転じ、7月1週も売り越し、それぞれ4885億円、4966億円の売り越しと利益確定に動いたことがわかる。ただ、主に海外投資家は日経平均株価に採用される大型株を、個人投資家は中小型株を売買と投資対象は異なる。

 1981年以降の日経平均株価の年間高安の差異(終値:高値-安値)が8500円以上となったのは、上昇相場の88年8941円、89年8732円、2020年1万1015円、下落相場の90年1万8491円、92年9491円の5回しかなく、今年は約半年で約9000円と、この43年間の平均値5110円から見ても異常に見える。なぜなら、過去のバブル期のような、暮らしに高揚感がないからだ。

「株価と景気」が乖離していて、年後半も株価上昇なら、過去の株式相場に見られない現象となる。

 時事通信が今月5~8日に実施した世論調査によると、岸田内閣の支持率は前月比0.9ポイント減の15.5%と、12年12月に自民党が政権復帰してから最も低くなった。また約4割が次期衆院選での政権交代を求めた。「株価と政治」も大きく乖離している。

 世界最大の資産運用会社ブラックロック傘下のブラックロック・インベストメント・インスティテュート(BII)は今月9日、日本株を投資対象として選好すると発表。日本株は「緩やかなインフレの回復、株主フレンドリーな企業改革、そして金融政策を引き締めではなく慎重に正常化している日銀を支援材料にわれわれが最も確信している株式だ」とした。

 先週の金曜日、日経平均株価は前場で一時1000円超と急落したが、都内某所のレストランでランチをしていると20代と見える若いカップルが入ってきた。男性は無精ひげにサンダル、女性は花柄のワンピース、ともにデイトレーダーらしく、スマホで前場の場況を見ていた。利益確定売りを出したようで上機嫌に見えた。

 今月は、年後半も日経平均株価が史上最高値を更新、4万6000円を目指すのか、下降相場に転じるのかの試金石ともなろう。

(中西文行/「ロータス投資研究所」代表)

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