1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

44~59歳のX世代はがんの罹患率がアップする…米国立がん研究所が衝撃予測

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月19日 9時26分

44~59歳のX世代はがんの罹患率がアップする…米国立がん研究所が衝撃予測

写真はイメージ

 現在、44~59歳の人は、1つ上の世代よりも「がん」になる可能性が高くなる──。そんなショッキングな研究結果がアメリカで発表された。「米国立がん研究所」のフィリップ・ローゼンバーグ博士らが、380万人のデータを用いて調べたという。この論文について、ボストン在住の内科医・大西睦子氏に解説してもらった。

  ◇  ◇  ◇

 フィリップ博士らは、1992年から2018年までにアメリカでさまざまな種類の「浸潤性」がんと診断された380万人のデータを用いて、X世代(65~80年生まれ)と、ベビーブーマー世代(46~64年生まれ)のがん発生率を比較したという。「浸潤性」とは、発生した場所から周囲の組織に広がったがんを指す。そのうえでX世代が60代になったときのがん罹患率を予測した。

 すると、X世代の女性はベビーブーマー世代に比べて、甲状腺がん、腎臓がん、直腸がん、子宮がん、結腸がん、膵臓がん、卵巣がん、そして非ホジキンリンパ腫と白血病の増加が予測されたという。

 また、X世代の男性は、甲状腺がん、腎臓がん、直腸がん、結腸がん、前立腺がんの増加が予測された。

 フィリップ博士らは、「アメリカのがん罹患率は、今後数十年間、受け入れられないほどに高いままである可能性がある」と結論づけている。

 ただし、アジア系または太平洋諸島民の男性に限っては、がん罹患率の増加は予測されなかったそうだ。

■ライフスタイルの変化が一因

 さらに、X世代は男女とも、がん全体の罹患率は増加が予測されているが、女性は肺がんと子宮頚がんは減り、男性は肺がん、肝臓がん、胆嚢がん、非ホジキンリンパ腫は減少が予測されるという。

 大西睦子医師によると、それは説明がつくそうだ。

「喫煙防止キャンペーンによって肺がんが減り、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンによって子宮頚がんが減少した」と考えられるという。

 それにしても、どうしてX世代はベビーブーマー世代に比べて「がん罹患率」が高くなるのだろうか。

 大西睦子医師はこう言う。

「ライフスタイルの変化が原因と考えられます。オハイオ州立大教授のフイ・ジェン博士らの21年の報告によると、最近の世代は、両親や祖父母が同じ年齢だった頃と比べて、心配なほど健康状態が低下しているといいます。X世代とY世代(81~99年生まれ)は、以前の世代と比べて飲酒や喫煙などの不健康な行動が多く、身体的な健康状態も悪く、うつ病や不安症が多いことも報告されています。アジア系と太平洋諸島民の男性に限って、X世代のがん罹患率が増加しないのは、ライフスタイルがそれほどベビーブーマー世代と変わっていないのかも知れません」

 がん予防には、なにが必要なのか。

「米国がん協会、米疾病対策センター、世界保健機関は、がんのリスクを減らすための一連の予防行動として、『たばこやアルコールの使用を減らすこと、身体活動を増やすこと、食習慣を改善すること、母乳育児を推進すること』などを提唱しています」(大西睦子医師)

 X世代は、ライフスタイルの見直しが必要かもしれない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください