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爽やかな世代交代ににじむテニスの歴史…ウィンブルドンは「新旧対決」の末、21歳アルカラスV

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月20日 9時26分

爽やかな世代交代ににじむテニスの歴史…ウィンブルドンは「新旧対決」の末、21歳アルカラスV

アルカラス(左)とジョコビッチ(C)ロイター

【スポーツ時々放談】

 ウィンブルドン決勝は、昨年と同じ顔ぶれ、37歳のジョコビッチと21歳のアルカラスによる新旧対決だった。

 昨年はフルセットにまでもつれ込んだが、今年は6-2、6-2、7-6のストレート決着。アルカラスのウィナー42本に対しジョコビッチは26本、ブレークポイント14回(同3回)、総ポイント数109-87と、硬軟織り交ぜた若者の完勝だった。

 21歳にして早くも4度目のメジャー制覇。ジョコビッチの初優勝は20歳だったが4度目は24歳で、19歳で初優勝のナダルの場合も4勝目は22歳だった。しかも今回のアルカラスは、全仏(クレー)から海峡を越えてウィンブルドン(芝)の異種サーフェスを連覇する史上6人目のチャンネルダブル、2022年にはハードコートの全米でも優勝している。末恐ろしいとはこのことだろう。

 テニスは常に新しい個性を世に送り出してきた。1990年代に無敵といわれたサンプラスをフェデラーが乗り越え、その壁をナダル、さらにジョコビッチが突き破り……フェデラーの2003年ウィンブルドンからジョコビッチの23年全米まで、計81回の4大大会の66回のタイトルを3強が独占してきた。とても無理と思われたはるか見上げる階段を、22歳のシナーと21歳のアルカラスが上り始めている。

 5セットマッチを7試合戦うグランドスラムのフィナーレはいつも美しい。

 前人未到のメジャー通算25勝が目前だったジョコは、6月に膝の手術を受けたばかりだ。そのことには触れず、すべてにおいて君が上回っていたと、笑みを浮かべて若者を称えた。147年、137回目の“聖地”の歴史にふさわしい爽やかな世代交代の絵図だ。

 この激しい男子決勝がウィンブルドンのトリではない。その後、センターコートではミックスダブルスの決勝が行われ、今年は38歳の謝淑薇ペアが優勝した。

 テニスの起源はビクトリア朝における社交の場、男女共同で規則を蓄積してきた唯一のスポーツだ。だから男女同額賞金だとも言えるが、常に相手への敬意と思いやりが求められ、技術や勝敗や記録だけでなく人となりが期待される……学校対抗の勝ち負けで発展する日本の庭球史とは根っこが違う。新しいスターが育つワケを改めて知らされた。

(武田薫/スポーツライター)

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