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トランプ銃撃事件は対岸の火事じゃない!パリ五輪開幕式に広がる恐怖、不可能な「完全警備」

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月20日 9時26分

トランプ銃撃事件は対岸の火事じゃない!パリ五輪開幕式に広がる恐怖、不可能な「完全警備」

警備艇に乗ってセーヌ川をパトロールする警察官(C)ゲッティ=共同

 五輪にも大きな影響を及ぼしそうだ。

 パリ五輪の開会式(日本時間27日未明)が間近に迫る中、米国で演説中のトランプ前大統領が銃撃されるという衝撃の事件が起こった。ただでさえロシアによるウクライナ侵攻やパレスチナ問題など不安定な世界情勢の最中に開かれるパリ五輪。今回の銃撃事件でいよいよ警備態勢への不安が広がっている。

 なにしろ、今大会の開会式は夏季五輪史上初となる競技場外での開催。街のシンボルの一つ、セーヌ川が会場だ。恒例の入場行進は各国選手らが約80隻の船に乗って行い、パレード区間の約6キロの河岸や橋には少なくとも60万人の観客を受け入れることになっているのだ。当然、競技場で行う開会式に比べて警備範囲は広く、難度は格段に上がる。当初から安全確保が大きな課題とされていた。

 元警視庁警部補の牛島寛昭氏はこう話す。

「セーヌ川周辺に集まる観客全員のボディーチェックはハッキリ言って不可能です。周りにはビルや住居が立ち並び、襲撃するポイントもいっぱいある。船を使うとなれば、民間の警備員を装って観光船に機雷を仕掛けることも想定しなくてはいけない。しかも、屋外ですからドローンなどを使った上空からの攻撃リスクも増す。警備員に採用する民間人に関しても、厳しいチェックがあるとは思いますが、それぞれの思想をどこまで調べられるか。警備の穴はいっぱいある。安倍晋三元首相の件でも今回のトランプ前大統領の件でも分かる通り、警備というものに『100%』はないと考えなくてはいけません」

 ロイター通信によると、トランプ銃撃後も従来予定していた約4万5000人の警備態勢は変更しないという。民間人による警護を含めると8万人にも及ぶ。2012年のロンドン五輪では警察と軍隊を合わせて約3万5000人が警備にあたったことと比較すればかなりの増員ではあるが……。

「それでも、特に多いという印象はありません。民間人による警護はあまり期待できないからです。というのも、警察官は危険があっても逃げちゃいけませんが、民間人は自分の身を守るために逃げても問題ないという大原則がある。しかも、大規模な警備になればなるほど『混成部隊』になる。警察と民間人はもちろん普段一緒に行動していませんから、とっさのときに判断が遅れたり、うまく連携が取れないケースもある。オリンピックのような大きなスケールになればなおさらです」(牛島氏)

 無事に開幕を迎えることができるか。

  ◇  ◇  ◇

 開幕してからも油断は禁物だ。実は、サッカーの日本対イスラエル戦もテロの「ハイリスクマッチ」として挙げられていて、非常に警戒されているという。いったいどういうことなのか。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳しく報じている。

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