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やりたいことが思い切りできる環境が整った だから「おばあちゃん」は若々しい

日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年7月21日 9時26分

やりたいことが思い切りできる環境が整った だから「おばあちゃん」は若々しい

芸名は「おばあちゃん」/(C)吉本興業

【今週グサッときた名言珍言】

「もっと野菜を食べてほしい」
(おばあちゃん/フジテレビ系「さんまのお笑い向上委員会」7月6日放送)

  ◇  ◇  ◇

「芸歴6年目の若手芸人です」という何でもない自己紹介が、その見た目・年齢とのギャップで大きな笑いにつながる芸人こそ、芸名そのまま「おばあちゃん」である。現在77歳。戦後のベビーブーム生まれで、憧れの芸人は中田ダイマル・ラケットという紹介の一つ一つが鉄板ネタだ。

 そんなおばあちゃんが、同じ劇場所属のギャル芸人・エルフにクレームを言う役割で登場し、それまでの流れとはまったく関係のない“クレーム”をぶつけた一言が今週の言葉である。

 先に触れた通り、おばあちゃんは現在、エルフや、ぼる塾ら勢いのある若手が数多く在籍する「神保町よしもと漫才劇場」の所属。吉本の芸人は数が多く、所属になるためには熾烈なネタバトルで勝ち残らなければならない。そうやって実力で掴んだ所属の座だ。もちろん、最高齢である。

 おばあちゃんは家族が貧しかったため、進学も断念し、15歳で大手企業に就職。その頃、心のよりどころになっていたのが、ラジオから流れてくるお笑いだった。24歳で結婚し、共働きで家計を支えていた38歳のとき、乳がんを患い、人生観が変わった。

「いつこの世を去るかもしれないと思ったら、やりたいこと全部やってみたい」(NHK「Dearにっぽん」24年3月25日)と思うようになった。仕事を定年まで勤め上げると「封印してた気持ちがマグマのように」あふれ出し、71歳で芸人を志してNSC東京校に入学したのだ。

 ネタを作り始めたときは、フリ・オチの概念もわからなかったおばあちゃん。オリジナリティーもなく、オチを忘れがちだと自己分析した彼女は、綾小路きみまろを見本に、まだ誰もやっていない「女きみまろ」を目指すことに。“オチ忘れがち問題”は、事前に川柳を書いておくことで解決。こうして持ちネタ「シルバー川柳」が生まれたのだ(テレビ朝日系「激レアさんを連れてきた。」23年8月14日)。

 彼女から話を聞いたというガクテンソク・奥田は、冒頭の番組で「衣装はこのままでいいのか、老人あるあるのネタのままでいいのかとか、悩みがちゃんと6年目」だと証言する。

「なんで70代過ぎてお笑いなんか始めたんだって皆さん言うんだけど、70過ぎたから行けたんですよ」(「Dearにっぽん」=前出)とおばあちゃんは言う。ようやく、やりたいことを思い切りできる環境が整った。だからこそ、おばあちゃんは誰よりも若々しく、楽しそうなのだ。

(てれびのスキマ 戸部田誠/ライタ―)

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